1249年の本日3月19日は、我が日本国の陶工の祖とされている加藤春慶(本名景正)が
81歳で往生を遂げた日である。陶器を総称して「瀬戸物」と言うが、その発端は春慶に
あったのである。(曹洞宗の開祖・道元にあるとも言われている。)
道元は幼い頃に両親を亡くし、その弔いのために出家したと言われている。各地の寺院
へ修行に行くが、どうしても彼の宗教心は満たされない。そこで、ついに中国の宋に留学
することを決意する。その時に、春慶も一緒に行くように誘ったのである。彼は宋に渡る
と、陶磁器の製法をみっちりと学ぶことになる。帰国すると早速、窯を開くために各地に
良質の陶土を探し求めたという。
そうして見つけたのが尾張・瀬戸の土で、彼がもっぱらその土を用いたことから、陶器
を「瀬戸物」というようになったのである。普段私たちが何気なく使用している言葉の由
来は、歴史的な事象に深く関係していることが多い。だから、皆さんは常に「なぜなのだ
ろう」という好奇心を持って生活していってほしいと思っています。
本日3月19日をもって、作新学院の平成24年度が修了致します。4月から今日までの日々
を振り返り25年度に向けて新たな出発の日にしてもらいたいと思います。私は、4月から
今日まで1年間ブログの記事を昔駅に設置してあった読んでもらえるかも分らない「伝言板」
に見立てて記事を掲載してきました。
平成25年度は、また新たな趣向でブログ記事を考えていきたいと思います。
読んで下さった皆様方、1年間本当にありがとうございました。
【瀬戸物の鉢】