虚無交換日記

神戸大学将棋部の住人たちによるブログ

学生名人戦

2018-06-09 13:38:24 | NY
久々の投稿となります。4回の名和です。5月26、27日に行われた学生名人戦の振り返りをしようと思います。すべて手前が私です。

5/25(大会前日)
今までは授業があり夜に現地入りしていましたが、4回で研究室配属となり、金曜は特に用事がないので、15時半ぐらいにホテルにチェックインしました。その後池袋サンシャイン水族館に行き、期間限定かつ数量限定の年パスを無事入手することに成功しました。今思えば大会前に水族館で気分を落ち着かせることができたのは結構よかったのではないかと思います。

5/26(大会1日目)
2年前出場したこともあり、あまり緊張せず大会に臨めたと思います。最後の学名となる(はず)なので、のびのび指そうと思っていました。

1局目vs小島
初戦は横国の小島君でした。横国の人とは大学に入ってから本当によく当たっていて、これで個人・団体合わせて4局目です。不思議な縁を感じます。
戦型は相手の先手矢倉に対しこちらが飛車先を切らせる代わりに銀を繰り出していく形になりました。序盤で飛車角交換に成功し、リードを奪うことに成功。そのまま押し切ることができました。自分にしては珍しい快勝でした。

2局目vs佐々木
2局目は中四王者の佐々木君と。高校の新人大会のベスト32で負かされた記憶があります。調べてみたら私が高1で福岡で行われた大会でした。そのときは対抗型の将棋でしたが、今回は角換わりになりました。プロの将棋でも前例のある仕掛けだったので時間をほとんど使わず決行したのですが、その後すぐにあまり考えたことのない対応をされ、事前にもっと研究しておけばよかったと後悔しました。とはいえ局面は難解で、十分指せると思っていましたが、相手の筋の良い指し回しの前にだんだん自信を失っていきました。そんな中迎えた終盤が左下図。


14桂と跳ねた局面です。この14桂は前から狙っていて、この手で逆転したと思っていたのですが、実際には負けたら敗着となっていた悪手でした。本譜は同香だったので13角で勝ちになりましたが、同香の代わりに48桂成同玉68龍58桂57金と進められたらこちらの負けでした。以下先手玉に詰みはありませんが、手順に後手から25桂や26金と後手玉の上部を厚くしながらの詰めろがあり、後手の勝ち筋でした。戻って14桂では59銀や79金と自陣に手を入れるべきでした。
結果的に14桂の勝負手が通り、ベスト8進出です。

3局目vs阿部
1日目最後となる3局目は東北大の阿部君との対局になりました。2年前の学名の初戦、そして富士通杯でも対局しており、今回の対局で3度目の対戦となりました。関西でも同じ人と3回当たるのはほとんどないので、再び不思議な縁を感じました。
戦型は角換わりで、後手の私が先攻する形になりました。今思うと不思議ですが、この対局では時間をあまり使わずに全体的に決断よく指せていたと思います。そんな中迎えた局面が右上図で、86歩の取り込みに対して87歩同歩成同金と進んだところです。この局面で自分としては珍しく時間がまだ10分弱残っており、最初は69角を利かして77桂成から43金と受けに回ろうかと考えていたのですが、はっきりしません。そんな中いきなり同飛成と飛び込む手に気付けたのは幸運でした。同玉に69角で合い駒が悪くとても受けにくいです。時間を(確か)使い切ってこの手を決断できたのはよかったです。本譜は69角に86玉でしたが85歩から寄せ切ることができました。

これでベスト4進出となりました。これまで個人の全国大会はベスト8が最高成績だったのでとても嬉しかったです。そしてここまで来たからには優勝したいと思っていました。

5/27(大会2日目)
2日目からは持ち時間が増えます。ここまで勝ち残ったことがなかったので少し緊張していました。

準決勝vs木村
準決勝は立命館の木村君との対局になりました。戦型は私が先手で、後手が74歩を取らせる代わりに銀を繰り出していく力戦の相居飛車になりました。経験がほとんどなかったので時間をこまめに使いながら指し進めていきました。序盤でかなり迷った局面があり、それが左下図です。


ここまでは割と思い描いていたイメージ通り指せていると感じていたのですが、この局面での方針が難しかったです。最初は65歩を考えていたのですが同銀であまりうまくいかないと思い、次に24歩を考えました。しかし、普通に同歩同飛23歩34飛33銀36飛44銀とされると、さらに手損を重ねているので自信がありませんでした。ただ、その局面で46歩と突けば先手も十分指せていたようです。結局24歩を断念し46歩から駒組みを進めましたが、その後の後手の53銀引から54銀の柔らかい駒組みをみて自信が無くなっていきました。

お互い玉形を整備して迎えたのが上右図。ここでは95角があり、先手が良かったようです。94歩に一旦84角と逃げるスペースがあるのを見落としていました。また、88角も有力でした。本譜は同歩同桂88角としましたが、65に桂をとばせたのはあまりよくなかったです。持ち時間が切迫しており、読みが甘くなってしまいました。以下は先手の玉頭に拠点を作られ、苦しい戦いとなりました。


最後の勝負所は終盤の上の局面だったと思います。ここでは61龍62金を入れてから11龍なら後手玉の上部が薄くなっているのでまだ難しかったです。以下26角には37銀打としてどうか。26角の代わりに56桂もあり自信はないですが、どちらにせよこう指すべきでした。本譜は単に11龍としたため26角が厳しく、以下は寄せ切られて負け。

3位決定戦vs石橋
3位決定戦は早稲田の石橋君との対戦になりました。戦型は角換わりで先手石橋君が早繰り銀を選択しました。それに対してポナンザが以前電王戦で指したように、62にいる銀を51〜52〜43と動かして対応しました。これは昨年度の秋季関西個人戦で指されたことがあり、一度やってみたい形でした。そのときの形と比べて後手が1手得をしているので十分指せると思っていましたが、具体的にどう指せば良いかよく分からなかったです。駒組みがひと段落したところではやや作戦負けだったようで、経験不足でした。以下はこちらに痛い見落としがあり、粘ったものの差は縮まらず負け。

というわけで、最後の学生名人戦は4位という結果に終わりました。2年前の学名ではベスト8でボロ負けしていたので、ベスト4に残れたのは素直に嬉しいですが、やはり悔しいです。また、この学生名人戦で優勝すると朝日杯のプロアマ戦に出場することができるのですが、今年の学生名人の相手が神大OBの古森さんだと知った時にはやるせない気持ちになりました。正直、私が神大に入った頃は自分がプロアマ戦に出るなど夢のまた夢のような感じで考えたこともなかったですが、今回はそこに手が届きそうで、まさに千載一遇といえるチャンスをつかむことができませんでした。

とはいえいつまでも落ち込んでいてもしょうがないので、まずは明日から始まる一軍戦から頑張ります。大学将棋に身を置ける時間ももうそんなに長くないので、悔いの残らないよう精一杯やっていこうと思います。

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