原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

【H22】出題趣旨公表

2010-09-18 | 新司法試験制度・情報など
出題趣旨が公表されました。リンクは、こちらです。

リンクだけ貼り付けておいて何ですが、私はまだちらっとしか読んでおらず、分析どうこうまで読みこんでおりません。あと1週間くらいで仕事が一息つくので、そうしたらゆっくり分析しようかと思います。「講師答案」として執筆した民事系、(ちらっと読んだ段階では)概ね予想通りの出題趣旨でした。一安心といえば、一安心です。

この出題趣旨(特に民事系)を読む際のポイントですが、語尾に注意することです。検討が「必要である」「求められる」「期待される」などの語尾が代表的でして、国語的に言えばだいたいこの順に必要性は「強→弱」となります。大事な点は、出題趣旨がなぜこのように論述の必要性・重要性に強弱を付けているのか、つまり、各論点につき、なぜ強く論述が求められるのか、反対に「期待される」にとどまるのか、こういった点をよく考えることです。この基準が何となくわかると、本試験で大枠をはずさないようになります。

既に今年の問題の答案を作成してある方は、出題趣旨を参考に自己添削してみてください。第三者的視点から、厳しめに添削することが大切です。そして、さらに大事なことは、

その上で合格と確信できる答案をしっかりと書いてみる

ことです。「自分なりの」合格答案のイメージ作りですね。これはすごく大切。合格者がよく、「自分なりの合格答案のイメージ・型」などの表現をしますが、それはこういう作業や答練で答案を書くことからできていくのです。他人の合格答案を読んでも、なかなかそういうイメージはできないのですよね。もちろん、参考にすることは大切ですが。余力があれば、H21以前の過去問についても同じ作業ができるとよいです。

この「MY合格答案」は、試験直前に威力を発揮します。直前のイメージトレーニングですね。とにもかくにも、出題趣旨はよく分析することが必要です。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございました (はせにゃん)
2010-09-19 22:27:33
最後の授業もごちゃごちゃしてしまいがちな部分を丁寧にまとめてくださって本当にありがとうございました。まだまだ勉強不足なところばかりで復習が必須です。先生と同じような達成感を味わえるように、そして今の勉強の中から少しでも生きがいが感じられるように頑張ります。ちなみに先生は修習は来年の予定なのでしょうか?今後の授業予定を拝見していると(この忙しさからしても)修習はもう少し先なのかなと
返信する
はせにゃんさん (はら)
2010-09-20 04:10:58
最終回にして、最もごちゃごちゃした分野でしたね(笑)

そうですね、復習をよくしていただきたいものです。今回、48時間でお話してきた内容が「そんなの当たり前だよ」という感覚に至れば、間違いなく合格します。そのためには、何度も何度も繰り返すことです。

修習、今年行く予定です。ひっそりと出しました(笑)希望地は、①横浜②静岡③金沢④広島⑤函館⑥山形、で。独り身は「東京は通らぬ」と周囲からごちゃごちゃ言われ、こんな感じで(笑)①②は通えるところ(今も毎週、静岡に通ってますし、地元ですし)、③~⑤はちょっと住んでみたいところ、⑥は「3群修習地」の中で最も東京に近いところ。さて、どうなるか(笑)

一生懸命やる対象=生きがい、なんだと思います。やってる間は気付かないんですけどね。終わって、やることがなくなった瞬間に気付くんです(笑)
返信する
合格答案 (一受講生です)
2010-09-21 21:56:48
先生が指摘されている合格答案のイメージ•型に悩んでいます。毎回答案の出来が違ったり、認定が冗長になったりと、これじゃダメだってことしかわからないです。
個人的に克服するしかない問題なのかもしれませんが、講義として可能ならば、ぜひ検討していただきたいです。
返信する
Unknown (はら)
2010-09-22 06:33:59
「これでしか合格しない」というものはないです。

形式面でいうと「ナンバリングの方法」「段落の変え方」「問題提起の仕方」「規範の導出の仕方(どの程度理由付けするか、など)」「あてはめの仕方や量」などです。

内容面では、「厚く書く点とさらっと書く点の区別」「説得的な理由付けの方法(形式的根拠=文言、実質的根拠=必要性と許容性の視点)」「あてはめの際の着眼点」などでしょうか。

自分が一番しっくり、スピーディーに書ける答案のカタチです。出題趣旨・ヒアリング・合格者再現答案などを参考にして、それを「自分が一番しっくり、スピーディーに書ける」答案として集約する作業をこなしていくと、スタイル・型は固まっていくように思います。

やっぱり、「自分なり」のものを確立するのが一番かと思いますが、講義としても、検討してみます!
返信する

コメントを投稿