原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

大学等の法律サークルの皆様へ

大学等で、講演・定期試験対策講義・ゼミの講師をおこなっています。
講演依頼につきましては、辰已法律研究所(kika19@tatsumi.co.jp)までお問合せください。
※メール送信の際は「@」を半角にしてください。

■2016年度講演実績
・2016年04月20日 早稲田大学生協
・2016年05月08日 アジア法学生協会ジャパン学術交流会講演
・2016年10月18日 中央大学
・2016年11月11日 一橋大学
・2017年01月12日 慶應義塾大学

刑の一部執行猶予制度について

2017-02-01 | 刑法的内容
「刑の一部執行猶予制度」について   第1 制度導入経緯・制度趣旨  1 従前の問題点(仮釈放のジレンマ)    実刑受刑者のうち,改悛の情があり,更生の可能性が高いと判断された者は,仮釈放となって社会内で保護観察を受ける。もっとも,仮釈放の平均期間が数か月から半年程度と短く,保護観察下での社会内更生が成果をあげる前に仮釈放期間が終了してしまうことも多い。仮釈放期間が終わってしま . . . 本文を読む

【刑法】累犯加重と執行猶予の要件

2012-10-07 | 刑法的内容
久しぶりの更新になってしまいました。すんません。ここ1カ月、(自分で言うのもあれですが)忙殺されておりまして。。。特に、刑事事件に追われておりました(まだ追われ続けているのですが:笑)。   さて、だからというわけではないですが、刑法の話です。短答肢です。   「累犯加重されながら、執行猶予を付すことができる場合もある」   答えは、「○」です。珍しく。こ . . . 本文を読む

似島と没収について

2011-09-01 | 刑法的内容
昨日の江田島・倉橋島に引き続き,今日は,似島というところに行ってきました。名前の由来は,「富士山に似た山がある島」だそうで,フェリーから写真を撮るとこんな感じです。 なるほど,確かに,富士山の形に似ています。広島の宇品港からフェリーで20分,島に降りるとこんな感じです。 人口1000人くらいの島で,コンビニも見当たらないのどかな島なのですが,なんでも,日本において最初にバームクーヘンが . . . 本文を読む

自首について

2011-07-18 | 刑法的内容
マイナー犯罪について書こうと思ったんですが,まず,自首の話を。さて,まずは肢別形式でちょっと考えてみましょう。 ア.「自首は,捜査機関に対してするものであるから,それ以外の者に自己の犯罪事実を告げたとしても,刑が減軽されることはない」 イ.「自首が成立する場合には,その刑は任意的に減軽されるものであり,必要的な減軽がされる場合はない」 ウ.「親告罪について,自首は成立しない」 エ.「自首に . . . 本文を読む

検討対象(構成要件)の特定,殺意の認定~平成18年・刑事系・第1問を素材に

2011-04-05 | 刑法的内容
今日は,終日起案でした。保証債務請求事件を素材に,法律問題(民訴法)と判決起案(在来様式で全文)。刑事系が恋しいので,刑事系について,表題の通り。 <事案の概要(必要な部分のみ)> 甲と丙・丁は会社の同僚であるが,仲が悪い。事件当日も,会社の飲み会で喧嘩。甲は早く帰宅するも,丙・丁が会社の寮に帰ってきたタイミングでまた喧嘩。乙(甲・丙・丁の上司)が仲裁に入って一度は落ち着くも,丙が甲に殴りかか . . . 本文を読む

「罪責を論ずる」ということ~あてはめの書き方で理解度はわかる

2011-02-03 | 刑法的内容
今日は,全国的にいくぶんかは寒さが和らいでいるのでしょうか?広島も週末くらいと比較すると,寒さも峠を越えたか,と思う感じです。陽も(日も?)長くなって,これから春になっていくのだな,と思われます。まぁ,まだ2月の上旬ですから,もう1回や2回は寒気が流れ込んでくるのでしょうけど…。 と,そんな今日も,講話&講義&起案。明日までこんな感じの予定です。 さて,今日は「罪責を論ずる」ということを。司法 . . . 本文を読む

強盗強姦関連の成立犯罪

2010-12-16 | 刑法的内容
昨日は,検察官の任官説明会。私自身は,検察官になる気はないのですが,少し情報提供できたらとも思って参加。…と言っても,なかなか核心的な情報は出てこないのですね。まだ,修習が始まったばかりですのでよくわからないところもも多いのですが,検察官になるには… ・出身大学,LS,司法試験の成績,年齢,性別は無関係。全体の採用予定人数はあれど,性別のごとの予定数はない(当たり前!)。ただし,一定程度の年齢の . . . 本文を読む

【刑法】各論の勉強のポイント~続き

2010-07-17 | 刑法的内容
昨日と今日は、日曜日の【スタ短特訓】「刑法③」の講義準備をしていました。今回は、幅広い犯罪を扱うこともあり、実に準備に時間がかかりました。丹羽健夫「予備校が教育を救う」 (文春新書) 曰く、「良い講義を提供する講師は講義時間の7倍の時間をかけて準備する」そうです。講師業を生業とする私としては、7倍とはいかないまでも十分な準備をして講義に臨むことを心掛けているのですが、今回に限っては本当に7倍を超え . . . 本文を読む

【刑法】各論の勉強のポイント

2010-07-16 | 刑法的内容
短答試験では、「総論よりも各論の方が点が取れない」という人も多いのではないでしょうか?もしそうであれば、それは勉強のポイントを誤っているからだと思います。各論で勉強すべきは… まず、犯罪の類型をしっかり押さえること。例えば、受託収賄、加重収賄、あっせん収賄、それぞれどういう犯罪か区別して説明できるでしょうか?まず、ここが各論マスターの第一歩です。 そして、各犯罪の構成要件をしっかりと理解・記憶 . . . 本文を読む

「故意」と「中止犯」

2010-07-09 | 刑法的内容
スタ論の添削・採点をしていて気付いた、「よくある間違い」です。【スタ短特訓】「刑法①」の「論文ブリッジレジュメ」に掲載しようかと思ったのですが、少し簡単かなと思いボツにしたものです。復習としてご利用ください。 仮想事例を使って説明します。 <仮想事例> 甲(25歳・男)と乙(25歳・男)とA(25歳・女)は、小学校の頃からの幼なじみ。甲と乙は高校も同じで、ともに野球部で甲子園を目指した仲だっ . . . 本文を読む