「お客さん。マジですか?」

お客様の庭への熱い思いを実現させるべく日々庭づくりに邁進する、奮闘の日々を綴ります。

アメリカの日本庭園

2007-03-08 19:23:17 | 外国のお話

私はよく「amazon」で本を買っています。
ここは洋書が非常に充実していて、その辺の本屋さんでは購入できない外国の庭の本などが購入できるのが愛用の理由です。

で、外国で出版された庭の本でも、日本に存在する日本庭園を扱ったものがチラホラとあります。
日本の庭についてオール英語で解説がついている事に少し驚いたりしています。

(あ、モチロン写真を見るだけで、英語の解説など1行たりとも読んでませんが、何か?)

アメリカ在住の知人に色々尋ねてみると日本庭園は結構な人気で、園芸店には大抵盆栽などを扱う「和」コーナーなどがあったりするそうです。

先日もamazonで日本にある日本庭園を紹介した洋書を発見してしまい、ついつい買ってしまいました。前回購入した、オール英語で日本庭園を紹介した本はとても良かったので期待に胸を膨らませておりました。

今回はどんな庭が出てるのかな~。とページをめくったのですが・・・・

1ページ目の庭から既に何かものすごい違和感を感じるのです。
確かに竹だの石だのを使ってる日本風の庭園には違いないのですが、うまく説明できませんが、自分の中の日本人DNAが何か違和感を感じているのです。

コレ、日本人がつくった日本庭園じゃない・・・・

ハッキリと確信したのはこの写真を見て。



鳥居が裏口のドアに!!!



お茶室だというこの建物の屋根が・・・(この写真はクリックすると大きくなります)



まるで出雲大社(本殿)。

いつもは1行たりとも読まない英語の解説文ですが、どうしてもこの庭のコンセプトが気になって仕方ないので、電子辞書片手にシブシブ読んでにみました。

どうもこのお庭を造ったアメリカ人ガーデナーは京都の植木屋に4年間弟子入りして厳しい修行を積んだらしいのです。
禅寺や京都御所や桂離宮のお庭の管理にも携わったとのこと。

私はよくアメリカのガーデン雑誌にも目を通します。大抵日本庭園の特集が組んであっても、中国風が混ざってたりする事が往々にしてありますが、この方のお庭はさすが4年日本で修行しただけあって、チャイニーズやタイ風などが混ざっているという事はありませんでした。ちゃんとした日本風。

が、おそらく私を含め、多くの日本人は鳥居をモチーフにした裏口や大社造風の建物を居住空間にしたりする感覚は持ち合わせていないと思います。

鳥居を抜けて向かう神社の本殿は、普段の生活空間とは違う神聖な異空間。

お正月に神社で参拝し、清らかな気持ちで1年の始まりを祝う習慣を持つ日本人のDNAには組み込まれてない発想ではないでしょうか?

で、このお庭のテーマは「自然の中の侘び」だそうで、実は全部解説は読みきれてないのですが、その他枯山水や俳句、禅問答、侘び寂び など日本を思わせる言葉がてんこ盛りでした。また詳しく読んで見たいと思っています。

この方は日本に4年間留学されて、京都の自社仏閣のお手入れをされていても日本人のこのDNAまでは感じ取ることができなかったのだと思います。

当然です。日本人ではないのですから。DNAなんて分かるハズないのです。

同じ事が私たちにも言えます。
何年か前に「イングリッシュガーデン」とうのが日本でも大流行しました。
レンガを基調としたお庭に、ゴールドクレストと芝、お花などを組み合わせたものが主流のデザインです。その時にたまたまイギリスの庭の歴史やイギリスの庭を勉強する機会があったのですが、日本で流行っているイングリッシュガーデンとは考え方や実際の姿があまりにも違っていて、一人で勝手に赤面した記憶があります。

インターネットの普及で様々な国の文化を見る機会もあり、それを庭のモチーフとして使うことが出来るのはとても面白いことだとは思いますが、安易にうわべだけをマネすると、手痛い事になるんだな・・・と感じています。

日本の鳥居や神社の屋根は外国人にとっては大変ファンタスティックな文化かもしれませんが、何の為にあるのかその歴史や背景を知らなければ、知らず知らずのウチにおかしな使い方をしているのかもしれません。

でも、日本庭園が意外と人気が高いのを知ってちょっと嬉しくなってしまいました。
日本人が忘れかけている素晴らしい「俳句」や「侘び・寂び」と言った文化を勉強してくださる外国の人が居ることもっと心に留めておくべきでしょう。

国際化とは外国の文化を知ることだけではなく、自国の文化を世に広めていく事だとも感じました。

・・・それにしても、久々の英語の長文は疲れました・・・





































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