10月22日から24日まで、総務常任委員会で北九州市と大分市に視察に行っていました。
【10月22日】
羽田から飛行機利用のため、午前7時50分に千葉駅に集合。
最近、JRが遅れがちですがこの日も人が線路内に立ち入ったことによる若干の遅れがありました。
移動時間に余裕を持たせることの大切さを感じつつ、北九州に入りました。
北九州市の人口は約97万人で千葉市との差は5000人ほどです。
それに対する財政規模は千葉市の7500億円に対して北九州は1兆2000億円あります。
税収割合は30%とそんなに高くありません。
一方、高齢化率は政令市の中でも高いので今後税収が増える見込みは少なく、扶助費の増加は避けがたいと思われます。
このような状況でも、財政の健全度を表す指標は千葉市の方が悪いのです。
- 実質公債費比率 北九州市10.8 千葉市19.5
- 将来負担比率 北九州市170.3 千葉市261.1
北九州市では、平成23年8月に行財政改革有識者会議を設置して、公共施設のマネジメント、組織のマネジメント、外郭団体の見直し、施設・事業の総点検の仕組みづくりについての論点整理を行いました。
その後、平成24年4月に設置した行財政改革調査会において、論点整理で出された課題について踏み込んだ議論を行い、4回にわたって4種類の答申が出されました。
それを受け、これから取り組もうとしている行財政改革について、お話を聞きました。
いやはや、どこの自治体も四苦八苦ですが、千葉市の状況と照らし合わせてみなければ、と考えています。
明日も北九州市議会におじゃまして、ICT化の取り組みについて、公共事業評価に関する検討会議について、お話をうかがいます。
【10月23日】
北九州視察二日目
午前中北九州市役所で座学です。
ICT活用と公共施設の評価についてうかがいました。
ICT活用というと、ネットが使えない市民への対応はどうするのか、ということを問題にされることが多いです。
しかしながら、業務をICT化することによって市民の利便性を高めることと、市民自身がネットを使って行政サービスにアクセスすることはイコールではありません。
ここを、きちんと切り分けて議論をする必要があるのではないか、ということに気づきました。
公共施設に関しては、今後の維持管理や修繕改修にかかる経費がどこの自治体も膨大で、数を減らすことが喫緊の課題です。
施設を複合化して集約することは効率的ですが、超高齢社会を見据えると、細かく分散していた方が市民ニーズにはマッチするはずです。
かといって今のままでは扶助費にまわせる財源は確保できません。
行財政改革は、改革後の社会の姿を示すことが大切ではないか、と感じます。
昼食後は、市民防災センターに移動して現地視察です。
消防局が持っているさまざまな訓練や体験ができる施設です。
ここで、新品の起震車に乗せていただき、関東大震災そのままの揺れを体験しました。
揺れ方は想像外、特に縦揺れは心身ともに衝撃です。
直下型地震が起きた瞬間には、驚きと恐怖で何もできないことを実感し、発災時の心の動きへの想像力を働かせ、直後の行動を想定しておくことが大切だと感じました。
以上のような思いを抱きつつ、大分市に移動しました。
大分市内
JR大分駅周辺は、道幅が広く整備されています。
ホテルには午後4時過ぎに到着しました。
小雨が降っていましたが、夕食までの時間を利用して、市街地を歩いてみました。
大型のショッピングアーケードや府内城周辺など、ゆったりと落ち着いています。
特にお城から行政機関が一体となったまちづくりは、都市の重みと落ち着きを感じさせます。
【10月24日】
午前中大分市役所で、行財政改革と地域情報化政策についてお話をうかがいました。
大分市は、人口47万人で千葉市の約半数です。
生活する都市としてまとまりやすい規模のように感じますが、ここも行財政改革に取り組んでいます。
昨年までの5年間の実績をまとめ、今年から新たなプランが始まっています。
大分市のプランでは、行革の柱に市民協働を据えているところが目を引きました。
市民協働には早くから取り組んでいたようで、自治基本条例も昨年4月に施行されています。
行政改革は、行政や議会だけが旗を振っていても進みません。
如何に市民とともに考えながら取り組むか、ということが大切なのだろうと感じます。
一方、大分市議会も議会基本条例を制定していて、それに則って10月下旬から市民との意見交換会が始まるそうです。
こちらは視察項目に入っていませんが、大分市議会の事務局の方から、最近の取り組みとして挨拶の中で説明がありました。
千葉市議会でも取り組みができないかと、議会改革推進協議会で検討が始まりました。
多くの意見は取り組んでいくという流れですが、その方法についてはまだ合意できていません。
台風27号を気にしながらの視察でしたが、すべての行程を終えて、千葉に予定通り戻りました。
視察の結果を活かすために、今後、委員会としてきちん検証総括する必要があると考えています。