八濱漂泊傳

ダラシナイデラシネ記

幕の内弁当か? ペペロンチーノか?

2011-12-01 00:31:54 | イケン!

 

今、

 

私の関わる うのずくり という集団が

宇野港周辺の活性化策をまとめて

某所に提案しようと考えている。

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実現性の可能性は非常に低く

お蔵入りになる公算は高い。

 

だけども、傍観している間に、

幕の内弁当 みたいな街が出現することを考えると

異議申し立てとしての行動は必要だろう。

 

 

市民の意見を万遍なく取り入れると、

どこにでもある 幕の内弁当 みたいな街が出来上がる。

 

玉子焼きあり、焼き魚あり、揚げ物あり、中華サラダあり・・・・

 

どの一品も冷めて美味しくなく、

仕入れも調理も手間がかかって

おまけにまったく売れず、採算が合わない。

 

やがて、

空っぽの箱物だけが残る。

そんな街はうんざりだ。

 

市民を道ずれにする

インパール作戦 は御免こうむりたい。

 

 

海を隔てた

直島の宮浦港 はどうだろう。

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玄関口フェリーターミナルの 海の駅なおしま 

(妹島和代+西沢立衛/SANAA設計) は、

 

絶品の ペペロンチーノ みたいだ。

 

生地のしっかりしたパスタと

ニンニクとオリーブオイルと鷹の爪のみで勝負している。

 

茹で上げるタイミングも、

手際よくフライパンで合わせる技も洗練している。

 

 

どこにでもある 幕の内弁当 か?

絶品の ペペロンチーノ か?

 

当然、人々は

ペペロンチーノ に行列を作る。

 

ペペロンチーノ を求めて訪れる人ほど

幕の内弁当 を素通りするだろう。 

 

 

なぜ、

 

うのずくり という集団が

お蔵入りになるにもかかわらず、

宇野港周辺の活性化策を提案するのか・・・・ 

 

 

 

そういえば昔、

こんなエピソードがあった。

 

 

京都駅ビル の建替えの時、

そうそうたる世界の建築家7名による

国際指名コンペが行われた。

 

 原広司

 安藤忠雄

 池原義郎

 黒川紀章

 ジェームス・スターリング

 バーナード・チュミ

 ペーター・ブスマン

 

このコンペの

不可解だったところは・・・・ 

 

審査過程では

安藤忠雄 が圧倒的優位にもかかわらず、

 

いざ、フタを空けると

なぜか 原広司 が1位となる

摩訶不思議なコンペだったこと。

 

 

審査員だった

  

ハンス・ホライン は

「なぜ、我々の意見を尊重しないのか」 と怒り・・・・

 

レンゾ・ピアノ は

「アイアムアンハッピー!」 と言って退席し・・・・

 

梅原猛 は

「これは国辱だ!」 とJR西日本に猛抗議した。

 

 

安藤忠雄 は、

コンペには負けたが・・・・

 

コンペの不可解さとともに

建築家としての評価は高まり、さらに名声をあげた。

 

 

京都の街には古くから

JR線によって 分断された南北 の問題が横たわる。

  

安藤忠雄 の京都駅ビル案は

分断された南北 を桜並木で結ぶ

問題解決への想いがこもった痛快な計画案だった。

 

一方、

 

灰色の出来レースでコンペを勝利した

原広司 の京都駅ビル案は

分断された南北 をさらに分断する

巨大な屏風 のような計画案だった。

 

 

今現在、

 

京都には、

南側の街区をまったく無視した

巨大な屏風 がそびえ立っている。 

 

分断された南北 の問題はさらに深まってしまった。

 

 

安藤忠雄 が、

コンペには負けたけれど

世界に向けて メッセージ を残したエピソードである。 

 

 

この話だけでなく、

出来レースや談合がもたらした弊害は数知れず。

 

 

 

宇野港周辺の、

さらなる衰退を招かぬために・・・・

 

うのずくり という集団が計画案を提出し、

メッセージ を発信する意義はここにある。 

 

 

 

 


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