『復讐するは我にあり』 (佐木隆三 第74回直木賞)
に、宇高連絡船 「瀬戸丸(旧紫雲丸)」 が登場する。
この小説は、
1963年に実際に起こった
西口彰事件 を題材にしたもの。
後に映画化されて、
ブルーリボン賞、日本アカデミー賞など、
この年の多くの賞を総ナメしている。
主演の 緒形拳 の鬼気迫る演技は鳥肌ものだった。
モデルとなった 西口彰 とは、
九州から北海道までを股にかけた
殺人5件、詐欺10件、窃盗2件の凶悪犯。
1963年10月、
福岡県で男性2人を殺害。
宇高連絡船で投身自殺を偽装。
11月、
静岡県浜松で女性2人を殺害。
東京都豊島区で弁護士を殺害。
1964年1月、
熊本で逮捕。
宇高連絡船での
偽装自殺の詳しい内容は、
1963年10月24日、
宇高連絡船 「瀬戸丸」 の甲板に、
背広の上着と靴が置かれているのを乗客が発見。
上着に西口彰の書いたハガキがあり、
海へ飛びこんで自殺したのではないかと見られたが、
靴は宇野駅近くの質店で購入したものであること、
同日夜、西口彰は宇野の旅館に泊まっていることから
偽装自殺であることが判明。
その後、西口彰は宇野駅から、
大阪、名古屋、東京、北海道へと逃げ続けることになる。