八濱漂泊傳

ダラシナイデラシネ記

トコハイ トノエ~ ナノエ~ ソーレ ソレ

2013-05-03 00:27:01 | シーパラダイス

 

昭和の名船 勝丸 に乗って、

福岡糸島半島から、

岡山児島半島に帰省した折、

 

山口宇部沖で、

日方(ひかた)の風に吹かれて、

海がひどく荒れた。

 

Sh3h0102

 

何度も、舳先から大波に突っ込み、

何度も、頭から潮をかぶり、

 

どうしようもない恐怖に

身体中が凍りついていた時、

 

なんの拍子か、

口をついて出てきた歌が 下津井節 である。

 

大声で 下津井節 を歌い続けていたら

不思議と不安が消えて気持ちが楽になり、

こんなにありがたい歌は、他にないと思った。

  

 

 下津井港はョ~ 入りよて出よてョ~

 まともまきよて  まぎりよてョ~

 トコハイ トノエ~ ナノエ~ ソ~レ ソレ

 

 下津井港にョ~ いかりを入れリゃョ~

 街のあんどの 灯が招くョ~

 トコハイ トノエ~ ナノエ~ ソ~レ ソレ

 

 下津井女郎衆はョ~ いかりか網かョ~

 今朝も出船を 二艘止めたョ~

 トコハイ トノエ~ ナノエ~ ソ~レ ソレ

 

 船が着く着くョ~ 下津井港ョ~

 三十五丁艪の 御座船がョ~

 トコハイ トノエ~ ナノエ~ ソーレ ソレ

 

 白石瀬戸からョ~ お船がみえる ョ~

 あれは肥後様 九曜星ョ~

 トコハイ トノエ~ ナノエ~ ソ~レ ソレ

 

まともまき とは、

船が、追っての風で走ること。

 

まぎり とは、

船が、向かい風にジグザグに走ること。

 

三十五丁艪の御座船 とは、

艪が三十五本も付いた、参勤交代の殿様船。

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肥後様 九曜星 とは、

肥後熊本、細川家の家紋のこと。

Kokuyou

 

 

トコハイ は遊郭での床這い。 

トノエ は殿、つまり遊郭の客。 

ナノエ は女、つまり遊郭の女郎。

 

 

 

海で恐い目にあったら、

下津井節 をオススメします。

 

 

<勝丸綺譚>

http://blog.goo.ne.jp/sholly/d/20110512

 

 

 

 

 

  


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