宇野港 の海を眺めていると、
いつも決まって、思い出す写真がある。
それは、
建築家 アルド・ロッシ が、
1979年の ベネチア・ビエンナーレ に出展した
水上に浮かぶ 世界劇場 のこと。
台船に載せられた 世界劇場 は、
タグボートに曳かれて、ゆっくりと水面を移動する。
水上都市ベネチアの亡霊のような形態の 世界劇場 が、
儚く、霧のアドリア海に消え入るような演出は、
中世の昔、貴族たちが優雅な舟遊びを楽しんだ
ベネチアの深淵な歴史を彷彿とさせるし、
ベネチアという水上都市に積層した
建築文化のアイコンとしても申し分ない。
アルド・ロッシ(1931~1997)
私が20歳の頃、
かつて修業した大阪淀屋橋の設計事務所の本棚に
アルド・ロッシ の洋書が置かれていた。
ほぼ毎日、 世界劇場 の写真を見つめては
ため息をついていた頃を思い出す。
アルド・ロッシ は、
タイポロジー(類型学) として、
ベネチアの聖堂や搭屋、ドームを
自己の作品に相等化して写し取っているのだが・・・・
いやいや、
わが町 宇野港 にだって、
ドームがあるよ!
宇野 メルカ
な~んてね!