《試練》――現在史研究のために

日本の新左翼運動をどう総括するのか、今後の方向をどう定めるのか

中核派による三里塚利用主義が明らかに

2015-11-11 18:13:17 | 『革共同政治局の敗北』を論評する
中核派による三里塚利用主義が明らかに
加瀬 勉(三里塚大地共有委員会代表)
2015年7月19日
「虹とモンスーン」アジア連帯講座BLOG(2015年7月25日)から転載
http://monsoon.doorblog.jp/archives/54465453.html

※タイトルは勝手ながら管理者が付けました。

【7・19三里塚闘争記事】
 7月19日、三里塚空港に反対する連絡会は、「成田空港『第3滑走路』計画を撤回せよ! 横堀現闘本部裁判勝利! 年間30万回飛行、飛行制限時間緩和を許さない! 反原発―再稼働やめろ! 沖縄・辺野古新基地建設反対! TPP反対!」のスローガンを掲げて東峰現地デモを行い、40人が参加した。(中略)
 加瀬勉さん(三里塚大地共有委員会代表)は,冒頭、安保法案国会と自民党強行採決を糾弾し、①「三里塚50年の闘争と政党」②「三里塚の農民問題」について発言した(要旨別掲)。

【加瀬勉さんの発言要旨】
①「三里塚50年の闘争と政党」から

 「革共同、即ち中核派の元政治局員、三里塚闘争責任者岸君が『中核派の分裂、政治局の堕落、崩壊』の本を出版した。その本の中で『中核派は三里塚反対同盟、三里塚反対闘争を政治的に利用するだけで裏切ってきた』と言明している。特に、反対同盟一坪共有地運動の推進者に対して、テロ、せん滅の敵対行動を行ったことに謝罪している。三里塚闘争と反対同盟農民に対して、あるいは杉並選挙闘争、婦人民主クラブの運動に対して、解放同盟の運動に対して、日本の大衆運動に対して敵対してきたことを幾多の事実を挙げて批判している。テロと内ゲバ、党内抗争に明け暮れて、党利党略のためにひたすら人民の闘争を利用してきたのである。この書籍によれば中核派は三里塚闘争の敵であるし、日本の大衆闘争に敵対する政治組織であることが判明した」。

 「われわれは管制塔占拠闘争に勝利する等、国家権力に打撃をあたえた三里塚の歴史に輝かしい足跡を残した。その戦術的勝利をその後、政治闘争として発展させることができなかった」。

 「三里塚50年の闘争を担いきる政党が日本に存在しなかったことが証明された。大衆闘争のなかで、思想を鍛え、行動を錬磨し、政党を発展させてゆく、大衆の利益を発展させる大衆路線を持った政党が日本には存在しなかったことが立証された。ゆえに今日の自民党独裁政権を許しているのである。われわれはこの困難の状況を深く理解し、その歴史的任務を遂行するために奮闘しなければならない」。

②「三里塚の農民問題」

 「東峰の石井恒司くんが空港(株)に敷地内の土地を売り渡した。彼はこのように言明している。『個人的には三里塚闘争は終わったと思っている』と。シンポシンポ、円卓会議を以って三里塚闘争は終了したのであると、石毛博道、相川勝重らも表明している。シンポ、円卓会議をもって三里塚闘争が終わったのであるとするならば、シンポ、円卓会議の路線は敗北主義である。抗日統一戦線問題と重慶会談、ベトナム戦争とパリ会談。話し合いも、交渉も闘争である。断じて統一戦線の中に自己の主体を解消したり、敵との会談、交渉に自らの主体を解体してはならない。交渉も話し合いも優れた政治闘争であることを理解できずシンポ・円卓会議推進者は権力の軍門に下っていったのである。そして、今や権力の手先になり、『第3滑走路の建設誘致に住民運動を』起こしている。闘争の敗北から権力の手先への変身である。厳しく批判しなくてはならない」。

③「大木よね執行問題に対しての和解」

 「大木よねの代執行問題について反対同盟は最高裁まで裁判闘争を展開してきた。最近、小泉英政と空港(株)との間で和解が成立した。

(一)和解は代執行を受けた大木よねの遺志を引き継ぎ発展させるものであるのか。

(二)謝罪したというが謝罪をどう評価するのか。シンポ、円卓会議、東峰神社問題、天神峰小川嘉吉に対する謝罪、今回大木よねに対する謝罪、謝罪は数々の階級和解を作り出した。でも権力の空港建設の基本政策と精神は何一つ変わってはいない。巧妙に野心をとげているだけである。われわれは、金銭ですべてを奪われ、村を追い出され、運命が変わっただけである。数々の謝罪をどう評価するのかなどについて、私は現在、小泉君と意見を交わしている」。

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