世界情勢は新たな激動の次元に入った
●オバマのアジア歴訪、ウクライナ、タイ、パレスチナ
アメリカ帝国主義オバマ政権は、中国のADIZの受け入れを拒否し、佐世保・沖縄の米海兵隊装備を強化している。13年3月の釣魚台(「尖閣列島」)有事の際の日米共同作戦の策定は、安倍政権の集団的自衛権承認による憲法第9条改悪を盛り込んだ本年末の新ガイドライン策定で実戦過程に入る。東・南中国海での偶発的衝突も含めて軍事的緊張を高めている。
一方では、4月のオバマ・アジア歴訪で単に昨年のアジア外交の取り戻し手当てではとどまらず、日本帝国主義・安倍政権の軍事大国への衝動に一定の歯止めをかけながらアメリカ帝国主義を軸にした日韓の関係強化に向って動いている。しかしうまくいかない。韓国に対して経済の対中依存を見据えながらかなり激しく対日改善を要求している。安倍政権がなんらの「日韓関係の改善策」を打ち出してもいないのに、ある種一方的に(改善)を要求している。
他方では、安倍の國神社参拝強行をめぐる強硬姿勢や取り巻き連中の対米・オバマへの発言は、アメリカ帝国主義の力の没落をしめすものでもある。アメリカ帝国主義オバマが懸念する以上に偶発的な日中の衝突の危機は深まっている。安倍の排外主義攻撃はこれをねらってもいる。
ウクライナの内戦はまだ混沌としている。この文章を書いている時点(3月1日)ではヤヌコビッチ政権の崩壊、暫定政府、クリミア半島クリミア自治共和国での親ロシア派の空港武装占拠が報道されている。ウクライナの激動は始まったばかりだ。米国・EU支持やロシア支持という形でしかウクライナ民衆の政治的立場が現れてこない限り、まだ問題は過渡的である。ウクライナが歴史的地理的要因で分断され内戦に突入するのは悲劇でしかない。かつてのロシアの影響力を断ち切る革命は、ウクライナをひとつに結集させたが、ヤヌコビッチのウクライナの自立ではなく自らの利権とあいまいな態度を取ることへの民衆の怒りは、欧米とロシアという表面上の対立として爆発した。欧米やロシアに翻弄されるのではなくウクライナ自身の自立の道、労働者階級の登場が問題の真の解決への道だ。
バリケードをめぐる攻防は凄まじかった。独立広場の民衆数千人が治安部隊の突入に一歩も引かず闘ったことがヤヌコビッチ政権を崩壊へ追い込んだ。タイやトルコでも始まっているように議会の中で政権が生まれるのではなく、街頭で、バリケードの攻防で、政権が生まれたことは注目しなければならない。トルコは治安部隊の突入に広場を守れなかった。ウクライナのバリケードを守った力がどこから生まれたのか、極右や民族主義者が主導したのか。労働者はどこにいるのか。
タイのインラック政権と反政権派の攻防は続いている。これまでは軍の行動で一定の決着を見せてきたが、今のところ欧米の歯止めがかかっていると報道されている。新たな勢力としてコメ担保融資制度の完全履行を求める農民の動きが始まった。もうひとつの隠れた勢力は自動車シェア9割をはじめタイ経済に大きな影響を持つ日本の動きである。タイ民衆の反乱が低賃金や搾取への怒りとして日系工場への暴動などに発展したときに、安倍政権は自衛隊による在留日本人救出などをてこに侵略的介入へ踏み切るだろう。
日経新聞では全く報道されないが、中東和平をめぐって「和平の枠組み・ケリ-提案」が論議されている。内容は全くふざけたものだ。イスラエルをユダヤ国家として承認させ、西岸の入植地を砂漠の土地(ベドウインからイスラエルが強奪した土地)と交換し、パレスチナ難民の帰還権に大幅な制限を加えるなどの問題にもならない内容である。
アメリカ帝国主義オバマは昨年の中東和平の交渉再開時に今年の4月までと交渉期限を区切っており、パレスチナへの圧力を強めている。アッバスはこの提案を基本的には呑む意向だと思われる。入植地を拡大しながら、一方では無条件に交渉のテーブルにつけと要求する米・イスラエルはパレスチナを絞め殺すつもりなのだ。入植地の拡大・住宅建設は今年に入ってから既に数千戸に及ぶ。毎日のように、パレスチナ人はイスラエル軍によって射殺されている。理由はなんでもいい。壁に近づいたから、過激派だから、パレスチナ人だから、と。エジプト暫定政府はガザのトンネルをほとんど破壊した。イスラエルによって封鎖されているから日常生活品を運んでいたトンネルが破壊され、ガザ180万人の生活は絞め殺される寸前だ。食料がない、あっても高い、仕事が無い、一体どうしろというのか。
トルコに三菱重工が戦車のエンジンを供給するという。武器輸出3原則などすでにない。この戦車はトルコからイスラエルに提供されパレスチナを、ガザの人々を踏み殺す。安倍政権による侵略戦争への道はここにも具体化されているのだ。
2014年3月3日
博多のアイアンバタフライ
●オバマのアジア歴訪、ウクライナ、タイ、パレスチナ
アメリカ帝国主義オバマ政権は、中国のADIZの受け入れを拒否し、佐世保・沖縄の米海兵隊装備を強化している。13年3月の釣魚台(「尖閣列島」)有事の際の日米共同作戦の策定は、安倍政権の集団的自衛権承認による憲法第9条改悪を盛り込んだ本年末の新ガイドライン策定で実戦過程に入る。東・南中国海での偶発的衝突も含めて軍事的緊張を高めている。
一方では、4月のオバマ・アジア歴訪で単に昨年のアジア外交の取り戻し手当てではとどまらず、日本帝国主義・安倍政権の軍事大国への衝動に一定の歯止めをかけながらアメリカ帝国主義を軸にした日韓の関係強化に向って動いている。しかしうまくいかない。韓国に対して経済の対中依存を見据えながらかなり激しく対日改善を要求している。安倍政権がなんらの「日韓関係の改善策」を打ち出してもいないのに、ある種一方的に(改善)を要求している。
他方では、安倍の國神社参拝強行をめぐる強硬姿勢や取り巻き連中の対米・オバマへの発言は、アメリカ帝国主義の力の没落をしめすものでもある。アメリカ帝国主義オバマが懸念する以上に偶発的な日中の衝突の危機は深まっている。安倍の排外主義攻撃はこれをねらってもいる。
ウクライナの内戦はまだ混沌としている。この文章を書いている時点(3月1日)ではヤヌコビッチ政権の崩壊、暫定政府、クリミア半島クリミア自治共和国での親ロシア派の空港武装占拠が報道されている。ウクライナの激動は始まったばかりだ。米国・EU支持やロシア支持という形でしかウクライナ民衆の政治的立場が現れてこない限り、まだ問題は過渡的である。ウクライナが歴史的地理的要因で分断され内戦に突入するのは悲劇でしかない。かつてのロシアの影響力を断ち切る革命は、ウクライナをひとつに結集させたが、ヤヌコビッチのウクライナの自立ではなく自らの利権とあいまいな態度を取ることへの民衆の怒りは、欧米とロシアという表面上の対立として爆発した。欧米やロシアに翻弄されるのではなくウクライナ自身の自立の道、労働者階級の登場が問題の真の解決への道だ。
バリケードをめぐる攻防は凄まじかった。独立広場の民衆数千人が治安部隊の突入に一歩も引かず闘ったことがヤヌコビッチ政権を崩壊へ追い込んだ。タイやトルコでも始まっているように議会の中で政権が生まれるのではなく、街頭で、バリケードの攻防で、政権が生まれたことは注目しなければならない。トルコは治安部隊の突入に広場を守れなかった。ウクライナのバリケードを守った力がどこから生まれたのか、極右や民族主義者が主導したのか。労働者はどこにいるのか。
タイのインラック政権と反政権派の攻防は続いている。これまでは軍の行動で一定の決着を見せてきたが、今のところ欧米の歯止めがかかっていると報道されている。新たな勢力としてコメ担保融資制度の完全履行を求める農民の動きが始まった。もうひとつの隠れた勢力は自動車シェア9割をはじめタイ経済に大きな影響を持つ日本の動きである。タイ民衆の反乱が低賃金や搾取への怒りとして日系工場への暴動などに発展したときに、安倍政権は自衛隊による在留日本人救出などをてこに侵略的介入へ踏み切るだろう。
日経新聞では全く報道されないが、中東和平をめぐって「和平の枠組み・ケリ-提案」が論議されている。内容は全くふざけたものだ。イスラエルをユダヤ国家として承認させ、西岸の入植地を砂漠の土地(ベドウインからイスラエルが強奪した土地)と交換し、パレスチナ難民の帰還権に大幅な制限を加えるなどの問題にもならない内容である。
アメリカ帝国主義オバマは昨年の中東和平の交渉再開時に今年の4月までと交渉期限を区切っており、パレスチナへの圧力を強めている。アッバスはこの提案を基本的には呑む意向だと思われる。入植地を拡大しながら、一方では無条件に交渉のテーブルにつけと要求する米・イスラエルはパレスチナを絞め殺すつもりなのだ。入植地の拡大・住宅建設は今年に入ってから既に数千戸に及ぶ。毎日のように、パレスチナ人はイスラエル軍によって射殺されている。理由はなんでもいい。壁に近づいたから、過激派だから、パレスチナ人だから、と。エジプト暫定政府はガザのトンネルをほとんど破壊した。イスラエルによって封鎖されているから日常生活品を運んでいたトンネルが破壊され、ガザ180万人の生活は絞め殺される寸前だ。食料がない、あっても高い、仕事が無い、一体どうしろというのか。
トルコに三菱重工が戦車のエンジンを供給するという。武器輸出3原則などすでにない。この戦車はトルコからイスラエルに提供されパレスチナを、ガザの人々を踏み殺す。安倍政権による侵略戦争への道はここにも具体化されているのだ。
2014年3月3日
博多のアイアンバタフライ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます