Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

さらば宇宙戦艦ヤマト

2006年01月25日 01時44分16秒 | 映画・ドラマ
劇場版第一作が無料配信された時に、二作目以降もいつかは
配信されるだろうと期待していたら、先週から始まりました。
この作品は劇場で見た後も、TV放送の度に(おそらく3、4回)
見ています。ノベライズも読みました。そして高校生の時に、
レンタルビデオでも見ました。その時に、セリフの一つ一つまで
しっかり記憶していたのに我ながら驚いたものです。
とはいえ、それからもう15年も経ってしまいました。改めて見る
と、TVシリーズ(パート2)や小説とごっちゃになっているところ
もあって、「こんなものだっけ?」という感じでしたが、それでも
幼き日の感動が甦って、何とも言えない気持ちになりました。
思い入れが強いのもありますが、152分という長さが全く気に
なりません。第一作と違い、オリジナル作品なので、物語も
しっかりしています。

ガミラスとの戦いから1年、地球は復興を遂げ、太陽系の惑星
にも勢力を伸ばしていた。「復興と平和の象徴」アンドロメダを
はじめ、地球防衛軍の戦力も充実していた。しかし、何かが
欠けている・・・。疑問を抱えた元ヤマト乗組員たちは、救いを
求める謎のメッセージに応え、地球防衛軍の制止を振り切って
再び宇宙へ旅立つ。宇宙の平和と愛のために。
地球に迫り来る新たな危機。それは進路上にある惑星を次々と
破壊し、あるいは支配下に治めていく恐怖の侵略者、白色彗星
帝国であった。激しい死闘、次々と倒れていく戦士たち。そして
衝撃の結末・・・。
と、改めてストーリーを書いてみましたが、見れば見るほど、
好戦的な作品だと思わずにいられません。悲劇的に描かれた
「泣ける映画」ではあるのですが、「地球は宇宙の平和を守る
リーダー」って、「世界の警察」を自認する某国と一緒じゃん。
実は彗星帝国の狙いが地球だとわかって、途中から「自衛の
戦い」に擦り変わってるけど。そして、自分は祈るだけで、
ヤマトには戦いをけしかけるテレサ。それでも「愛の象徴」か?
極めつけは、ラストの「特攻」。沖田元艦長の幻が「命ある限り
戦え」と語ったシーンの後で、命を粗末にするような、何の戦果
も期待できない無謀な作戦を、あたかも感動的に偽ってみせる
展開は、冷静に見るととても正視できません。
・・・でも、嫌いになれないんですよね、困ったことに。
三つ子の魂、何とやら。

この作品で私が最も好きなのは、無断でヤマトに乗っていた
森雪が、古代の前に姿を現す場面です。
謎の敵の襲撃を受けた太陽系外周艦隊の土方司令を救出し、
ヤマトに収容した古代の目の前に現れた看護婦は、地球に
いるはずの雪。驚いて医務室に追いかけてくる古代を、雪は
無視します。間に入った佐渡医師が執り成そうとしますが、
全く意に介しません。しびれを切らした古代が歩み寄ると、
「治療中に入室しないで下さい」と冷たくあしらう雪。
「君は誰だ」
「地球防衛軍科学局生活部、森雪です」
「乗組員名簿に載っていないな」
「アハハ、いや、わしが登録するのを忘れたんじゃよ」と佐渡が
助け舟を出そうとしますが、怒った古代は
「退艦してもらいます。船の規律が守れません」
「おいおい、そう固いこと言うなよ」と佐渡が言うのを遮って、
「結構です。ただし、患者の処置を済ませてからにして下さい」
と言って土方を運び出す雪。佐渡は古代の脇を通る時に、
「あのな、ワシのミスじゃからな。ケンカはいかんぞ、ケンカは」
と囁いて、その場を去ります。
二人きりになると、雪は突然白衣を脱ぎだします。
「な、何をする」と慌てる古代。
「退艦します」
「ま、ま、ま、待て。こんな所からどうやって地球に帰るつもり
なんだ」
「退艦しろと言ったのは古代君でしょ? 宇宙遊泳でも何でも
して、帰ります」
「め、め、命令だ。隊員服を着ろ。艦長代理として、森雪に
旧任務を命じる」
完全に古代の負けです。しかしこのままでは男のメンツが
立たないと思ったのか、
「バカだよ君は。地球にいれば平和に暮らしていけるのに。
こんな危険な旅に紛れ込むなんて、無茶だ」
「あたしもヤマトの仲間の一人よ。みんなが行くならあたしも
一緒よ。古代君のそばにいたかったのよ」涙を流す雪。
「雪・・・」
「古代君!」
そして抱き合う二人。
・・・見ていてふと気がつきました。
「私の幸せは、あなたといること」
そう、これって「いま、会いにゆきます」の澪と一緒じゃん。
私が「いま会い」にはまったのって、そのせい?