Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

続 BSE

2006年01月22日 00時53分20秒 | 時事・社会
<米国産牛肉>禁輸が長期化する可能性も
【ワシントン木村旬】日本に輸出された米国産牛肉への特定
危険部位の混入は、除去義務があることを政府の検査官が
知らなかったという、お粗末きわまりない原因で起きたことが
明らかになった。日本向け輸出の条件を守るために米政府が
作った「輸出プログラム」の根幹が揺らぎ、日本の消費者の
不信感がいっそう強まるのは必至だ。日本側が納得するよう
な対応策を打ち出せなければ、禁輸が長期化する可能性も
出てきた。
 問題の牛肉は生後4ヵ月半未満。米国では30ヵ月未満なら
脊柱(せきちゅう)(背骨)など特定危険部位の除去義務は
ないが、日米の合意で日本向けは除去する必要がある。
輸出した米食肉業者「アトランティック・ビール・アンド・ラム」は
「輸出条件を誤解した」と釈明し、「二重基準」を十分理解して
いなかったことを認めた。
 ただ、同社には政府の検査官が常駐し、違反を指摘すること
ができた。しかし、検査官も「脊柱の除去義務を認識していな
かった」(ジョハンズ米農務長官)。チェック体制は全く機能しな
かった。
 米農務省は昨年8月、食肉業者による特定危険部位の除去
義務違反(米国基準)の摘発が1036件にも上ったことを公表
した。業者の不手際は以前から多発していたわけだが、同省
は「食肉として流通していない」と安全性を強調していた。
 ところが、今回はお目付け役の検査官までが失態を演じ、
事態は深刻だ。農務省の認定を受け、日本向け輸出が可能に
なったのは40施設(20日現在)だが、他の施設にいる検査官は
大丈夫かという疑いも生じる。
 これを受けて、ジョハンズ長官は再発防止策を急ぐ方針を
表明し、検査官の増員や再教育などを強調した。「低姿勢」で
臨み、早期の輸入再開にこぎつけたい考えとみられる。
 だが、米国では昨年、BSE(牛海綿状脳症)検査でいったん
「シロ」と断定した牛が「クロ」と覆ったり、BSE感染の疑いの
ある牛が長期間放置されたりと検査体制の不備が相次いで
判明した。日本の消費者の不安は簡単に解消されそうにない。
 一方、日本の輸入停止を受けて、米畜産業界や議会からは
米国産牛肉の安全性を強調し、早期再開を期待する声が次々
と上がった。今年秋には米議会の中間選挙を控えており、
輸入停止が長引けば、対日批判が再燃する恐れもある。
 ■輸出プログラム違反があったら……
<米国の対応>
・虚偽申請には米連邦刑法で懲役や罰金
・プログラム実施での違反には輸出資格の停止や取り消し、
製品回収など
<日本の対応>
・違反があった施設からの輸入を停止
・重大な順守違反が繰り返されるようなシステム全般の問題
なら全面輸入停止
                       [毎日新聞1月21日]


起こるべくして起こったというべきか、懸念されていたことが
早々と起きてしまいました。小泉首相の第一声は「輸入が
再開したのに、残念ですね。」だったそうですが、むしろ早く
見つかって良かったという気がします。
今回は成田空港での検査で見つかったわけですが、コストが
高い空輸で入ってくるのは、検査用のサンプルなどごく一部
です。つまり、市場に出回る肉の抜き取りではなく、最初から
そのために取り分けられていた物でこの有様なわけです。
私も経験ありますが、チェックが入ると分かっている場合、
企業は間違いがないように十分気をつけたサンプルを用意
するものです。それが出来てなかっとなると・・・と思っていた
ら、上の記事のような続報が入って、納得。
しかし、米国人はこんな危険な肉を食べさせられてるわけ
なんですね。「日本に入って来なければOK」で済ませては
いけないと思います。
米国で急増するアルツハイマー患者の何割かは、実は変異
型ヤコブ病ではないかという疑いも出てきています。
イギリスにほんの少し滞在してただけで感染・死亡した日本
人もいましたね。まだ解明されていない点も多いですけど、
化学物質や遺伝子組み換え作物以上に危険なようです。
政府は、他の輸入牛肉は安全だとして、追跡調査は行なわ
ないそうです。自分の身は自分で守るしかないのでしょうか。