序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

第36回公演「通せんぼ横丁」第三場ー4

2018-12-16 20:07:18 | 覗かれる人生芝居


勝利 「ああ、そろそろ始まりますね」
陣五 「ええ、ちょうどいい時間ですね」      
     時計を見る陣五。
     遠くで花火大会の開始サイレンが鳴る。
誠二 「あれ、始まりのサイレンです、間もなくですよ」
由美子 「最初と最後は三尺玉だよ」
陣五 「ハイ、みなさん行きますよ。八時三十分まで、十秒
前。・・九・・八・・七」
     立ち上がる一同。

     一同で唱和する。
一同 「六・・五・・四・・三・・二・・一」
由美子 「シュルシュルシュル、ドカーン」

佐知 「玉屋!・・・あれ?」
     花火を探す一同。

光子 「上がらないじゃないの」
勝利 「陣ちゃん、十秒前じゃなかったですか」
陣五 「いや、その筈なんですけど・・・」
誠二 「そうだ、陣さん。ホラ、打ち上げ前に仕掛け花火の
ナイヤガラがあるじゃないですか」
陣五 「ああ、そうか、ナイヤガラがあったな」
由美子 「そうなの」
美樹 「ナイヤガラって滝の?」
誠二 「ええ。残念ながらそのナイヤガラはここからは見え
ないんです。ここから見えるのは打ち上げ花火だけ」
佐知 「ああ、確かにそうだったね」
勝利 「そうなんですか、私はここからしか見た事ないから
知りませんでした」
光子 「あたしもよ」
     腰を下ろし掛ける一同。
     と、シュルシュルと航跡を残し上がる花火。
誠二 「ああ、ほら上がってく」
美樹 「ホントだ」
由美子 「上がった、上がった」

     その航跡を目で追い立ち上がる一同。

     見守る一同。

     大玉が一発

    「ドカーン」

一同 「(思わず)玉屋!」

    
第四場ー1に続く。
撮影鏡田伸幸     


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