序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

演出ノート後記3

2008-12-27 13:36:18 | うんちく・小ネタ

世間はクリスマスも終わり師走のワサワサ感が一段と強まっていますが、そんな事には構わず演劇三昧の生活を継続していきたいと思います。

と、いうわけで演出ノート後記の第3弾です。

前回で「払暁の時・手紙」の芝居内容を説明しました。

そしてその内容を舞台化する為に「時代を纏う」事の必要性を書きました。

126 「時代を纏う」為には時代を知るという事が必要になってきます。
その為役者達は色んな媒体からこの戦争について勉強しました。
そして当時の色々なことを知りました。
さあ、その結果は、という事になるとなかなか具体的な形になって現れてきません。

私の言う所の「結果」とは、知ったものを役に具体的な形に変換してどの様な人間として表すかという事です。

しかしそれがなかなか現れないのです。

役者の芝居における責任の大きな部分は、抽象性をどの様に具体的に変換していくかという事です。
知識は知識のままでは観念でありち抽象です。
知識を自分にとって具体的なものに変換するためには、自分を通して自分の言葉に置き換えるという作業が必要になってきます。

その為には一番簡単な分かり易い事から始めていくのです。

軍国主義の当時の社会情勢に生きる人間を創るためには、いくら社会情勢の知識を詰め込んでもそこには行き着けません。207
では、どこにそれを求めたらいいのでしょうか。
それは姿勢を正すから始まります。

上意下達の当時に必要なのは礼儀です。
社会の一番小さな単位の家庭におけるお父さんの権限は現在の比ではないほど大きなものでした。社会における上下関係も厳しいものです。そしてそれは教育の大きな部分を占めていたのです。

姿勢を正すということは単に姿勢を良くするという以上にその時代に密接に繋がっていたのです。

この様な事を手に入れることが「時代を纏う」第一歩となるのです。


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