序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

「通る夜・1965」舞台写真8

2012-07-15 13:44:05 | 演劇

中秋を迎えて、キートンの「北高今昔物語」という脚本も出来上がり、後は職員会議での採択となった、その日。

会議の是非を知る為、委員会の仲間がおでん屋の二階に集まった。

135
キートンにはみんなに聞きたい事があった。

それは自分の書いた作品の出来についてであった。

しかし誰も口をつぐんでその事に触れようとはしない。

それはみんなのキートンへの示し合わせたいたずらであった。

220
 

 タケコ 「ワチは面白かったよ」

          ノッチン 「よくあんなの書いたね。タケシと感心してたんだ、ねえ」

           タケシ 「う・うん」

           キートン 「本当か?」

                ケイコ 「なに、あたしにも面白いって言わせるかい」<o:p></o:p>

 キートン 「いや、俺はてっきり・・・」<o:p></o:p>

 ノッチン 「てっきりメタメタに云われると思った?」

キートン 「だって、皆して俺を無視すんだもん」<o:p></o:p>

 ノッチン 「ドキドキしてた?」<o:p></o:p>

 キートン 「ドキドキなんて・・。俺、泣きそうだったんだから」<o:p></o:p>

 マサル 「先に面白いって言うといい気になるからな」<o:p></o:p>

 フーコ 「そういう事」<o:p></o:p>

 キートン 「じゃ、みんなで?」<o:p></o:p>

 マサル 「ああ、引っ掛けた」<o:p></o:p>

      笑い出す一同。<o:p></o:p>

 キートン 「バカヤロウ!」<o:p></o:p>

219_2その後チーコが職員会議から帰ってきて、キートンの「北高今昔物語」が正式に採択されたことを伝える。

喜ぶ一同。

チーコは高らかに宣言するのだった。

 

チーコ 「我がB組の北高文化祭クラス対抗演芸コンクールの演目はキートンの

    『北高今昔物語』と決定しました」

 

218続く。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿