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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞マグリット『ことばの用法』③

2018-07-09 06:48:51 | 美術ノート

 白く抜かれた形は人のように見えるが、人である確証は皆無である。線で括られたものを見ると、何かを連想し何かに決定づけようとする心理が働く。空の雲に然り…。
 ダークな緑はダークな緑であるだけであるが、他の条件(例えば煉瓦)を合わせると、状況を想起させる傾向がある。
 単一では曖昧模糊としたイメージも、条件を加えることで領域を確定に近づける。(もちろんそれ以下でも、それ以上でもないが)

 ことば(言語/約束)も同じように、単語は単語なりの世界を持っているが、全くリンクしない言葉を近づけても反応しないのである。
 意味を生じない・・・意味ある単語(ことば)は関連を持たない単語(ことば)を持ってくることで、むしろ意味を霧消してしまう作用がある。

 意味(ことば)の集合が、意味(ことば)の用法を打ち消してしまうという奇妙な空気感が生じることがある。
 伝えようとする意志の欠如、言葉を知らない場合etc・・・あらゆるケースが考えられるが、言葉は契約であり、契約は常に歪曲の危機を孕んでいるということである。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)


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