続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮 Ⅱ-1-1自分自身が目前の空間を測るための模型③

2019-11-13 06:50:45 | 美術ノート

 目前の空間を測る・・・自分自身は下半身を地中に埋めている。地表に立っているのではなく、半身は地中にある。学習されたデータの記憶と共に目前の空間を測ることを試みている。

 地表に立つ自分自身に対し、高い場所(林・森・山岳など)は並べて平らである、これは地球儀などを見るに近い凝縮である。
 自身の反対側のへこみは湾(海岸線)を暗示しているのかもしれない。とすれば、見えない地中の深さにも納得がいく。

 目前の範疇は現実的あるいは物理的に見える風景としての空間ではなく、感覚的な想念を形に留めたものである。当然あるべき起伏は、空の彼方から眺め下したような視線によりフラットに抑えている。
 この空間測定法は自分自身を基点としているが、自分自身の位置や大きさ(想念)については収縮自在である。重力圏内の空間ではあるが、存在者としての体感はあくまで目前であって、宇宙的な観点の視野ではない。

 空(空間)があって地(地球のほんの表面である地殻)がある。その狭間の存在である自分自身のデータの集積による観念的な、集約された測定である。


 写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館


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