続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『三浦半島の自然誌』

2015-12-19 07:07:24 | 博物館講座

〔萩原先生の授業〕

《魚とは何か》 
 脊索動物門(背中に棒状の神経を持つ動物)-脊椎動物亜門(背骨を持つ動物)

 無顎綱~ほとんどが太古に絶滅、現在はカワヤツメ(顎はなく吸盤状)・ヌタウナギ(顎も眼もない)のなかまが残るのみとなっている。三浦半島では周辺海域にヌタウナギの仲間が生息。

 軟骨魚綱~顎や対鰭を備えるが、骨格はすべて軟骨でできている。ギンザメのなかま(全頭亜綱)とサメ・エイのなかま(板鰓亜門)に分けられる。(チョウザメは硬骨魚)世界に約930種、日本に約110種。

 硬骨魚綱とは~顎や対鰭を備え骨格は少なくとも一尾が硬骨でできている。最も多様に分化した魚で、現在目にする魚のほとんどがこれに含まれる。世界/約2万7000種・日本/約4000種。(ウナギ・マイワシ・サケ・メアジ・マハゼ・クサフグなど)

《魚類の歴史》
 地球上に現れたのは、古生代のカンブリア紀後期(約5億年前)といわれる。
 最古の魚類は無顎綱だが、そのほとんどは古生代のうちに絶滅、現生のヤツメウナギ・ヌタウナギの直接的な祖先は不明。
 軟骨魚類は古生代のシルル紀(約4億4000万~4億1600万年前後)に出現し、デボン紀(約4億1600万~3億6000万年前)に発展したとされる。この時期に出現した古代ザメとよく似た形質をもち、生きた化石といわれる現在のサメ、ラブカは三浦半島近海からも採集される。(博物館の標本は2005年鎌倉市材木座海岸に打ち上げられたもの)

 硬骨魚類はデボン紀に出現。現在の肺魚目、シーラカンス目などのいwゆる「古代魚」はこの時期に出現し、現在の種に続いている。
 身近な硬骨魚は中生代の白亜紀にニシン目、ウナギ目、ナマズ目など、新生代の第三紀にはコイ目、スズキ目などが出現。
 現在最も繁栄しているのはスズキ目といわれ、世界に約1万2千種が確認されている。

《三浦半島の魚》
 純淡水魚・・・コイ・フナ(類)・モツゴ・アブラハヤ・ドジョウ・ミナミメダカなど。
 通し回遊魚・・・ウナギ・マルタ・サケ・アユ・ヨシノボリ類・ウキゴリ類
 周縁性回遊魚・・・アカエイ・ボラ・スズキ・クロダイ・ギンガメアジ・コトヒキ・マハゼ・クサフグなど。

 最近の平作川~外来生物問題が一般化するとともに、外来生物法の規制が実施されたものの、外来生物の「ゲリラ放流」は減る傾向を見せない。
 そのため、これまで大型河川でしか記録されていない魚類の生息が確認されている。
 ※絶滅した三浦半島の淡水魚・・・ホトケドジョウ/津久井川・平作川・田越川などの上流に生息していた)
 ※絶滅寸前の三浦半島の淡水魚・・・1970年代までは水田や用水路で普通に見られたが農薬散布やヒメダカなど改良品種の放流により野生個体が激減し、現在三浦半島の純粋な個体が生息する場所は一か所のみになってしまった。
 ※外国から持ち込まれた魚…ガー・シルバーアロワナ・ソウギョ・カダヤシ・グッピー・オオクチバスブラックバス)ブルーギルなど。このうち、カダヤシ、オオクチバス、ブルーギルは三浦半島で繁殖が確認されています。
 ※国内の他所から持ち込まれた魚…コイ・フナ・オイカワ・ニゴイ・タモロコ・ナマズなど。
 (平作川での繁殖は認められていない。繁殖は大きな湖・川で散乱し隠れ場所(ヨシ原)などでないと、一度雨が降ったら流されてしまう由)

 現今、平作川にはクロダイやアユの生息が認められるということです。

 萩原先生ありがとうございました。


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