goo blog サービス終了のお知らせ 

続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

M『光の帝国』

2022-03-01 09:15:14 | 美術ノート

   『光の帝国』

 光の帝国であって、帝国の光ではない。
 画面は光(空/自然)と帝国(皇帝の統治する国家)が半々に占める構図になっている。
 夜の景色である帝国には薄明かり(人工)が見える。大自然(宇宙)の中で人が権力を握る世界は、光をも我が物とする人智の構築である。

 大いなる光(太陽)は世界を照らして止まないが、帝国はもろくも崩れゆく運命を担っているのは史実が物語っている。

 しかし、人智における国造りは強大であり、人々は順列に従い約束は厳守される。自由・解放は天(空)の下で閉塞されている。帝国の守りと呪縛は世紀を超えて人々を支配し、掟を破るものは力をもって制圧を余儀なくされる。


 帝国の幻、否、現実は光(宇宙)の中では笑止の薄暗闇に過ぎない、と、マグリットは呟く。しかし、正しく私たちは、この中で生きている。抗うべくもなく一枚の絵の中でわたし(マグリット)は秘かに呟いている。

 写真は『マグリット』展・図録より


『飯島晴子』(私的解釈)菫枯れ。

2022-03-01 08:49:10 | 飯島晴子

    菫枯れ地平に眼ひとつあり

 菫枯れはキン・コと読んで、襟、怙。
 地平はチ・ヘイと読んで、質、併。
  眼ひとつあり(眼一有)はゲン・イツ・ユウと読んで、現、佚、有。
☆襟(心の中)で怙(頼りにする)質(内容)を併せて現わす佚(楽しみ)がある。

 菫枯れはキン・コと読んで、金庫。
 地平はチ・ヘイと読んで、置、幣。
 眼ひとつあり(眼一有)はゲン・イチ・コウと読んで、厳、一、考。
☆金庫を置く。
 幣(お金)は厳しく一(一つにまとめる)考えである。

 菫枯れはクン・コと読んで、訓、個。
 地平はジ・ヘイと読んで、字、蔽。
 眼ひとつあり(眼一有)はガン・イツ・ユウと読んで、頑、逸、憂。
☆訓(字句を解釈する)個(一つ一つ)の字を蔽(被っている)。
 頑なに逸(かくしていること)を憂(心配している)。


吉川宏志(私的解釈)黒き鯉。②

2022-03-01 07:09:08 | 吉川宏志

 黒き鯉逃げて薄まる水ありき少年期よりの友の少なさ

 黒き鯉はコク・リと読んで、哭、詈。
 逃げて薄まるはトウ・ハクと読んで、蕩、魄。
 水ありき(水有)はスイ・ユウと読んで、出、幽。
 少年期はショウ・ネン・キと読んで、招、然、鬼。
 友の少なさはユウ・ショウと読んで、幽、障。
☆哭(大声で泣き)詈(ののしる)。蕩(揺れ動く)魄を出(外へ出す)。
 幽(あの世)の招(まねき)、然り、鬼(亡霊)である。
 幽(あの世)を障(遮る、防ぐ)。

 黒き鯉はコク・リと読んで、酷、罹。
 逃げて薄まるはトウ・ハクと読んで、党、迫。
 水ありき(水有)はスイ・ユウと読んで、衰、憂。
 少年期はショウ・ネン・キと読んで、悄、念、記。
 友の少なさはユウ・ショウと読んで、悠、傷。
☆酷(容赦なく厳しい)罹(災難)は党(仲間)を迫(苦しめ)衰(勢いをなくしている)。
 憂(悩み)悄(悲しむ)念(思い)で祈る。
 悠(遠くで)傷(心を痛めている。

 黒き鯉はコク・リと読んで、古句、理。
 逃げて薄まるはトウ・ハクと読んで、謄、吐く。
 水ありき(水有)はスイ・ユウと読んで、遂、友。
 少年期はショウ、ネン・キと読んで、衝、然、記。
 友の少なさはユウ・ショウと読んで、言う、至要。
☆古句の理(物事の筋道)を謄(書き写す)と吐く。
 遂(やりとげる)友は衝(重要なところ)を然(その通り)に記すと言う。
 至要である。