日の出、日没・・・日中であり、可視状態にある時間帯である。
(4線)の意味・・・点が同じ方向に連鎖していけば線になる。時間における空気中(存在を包むもの)の分解だろうか。
音波・光波・電波・熱波・風を言っているのだろうか。
身体に感じる振動は風あるいは音、そして光(熱)である。日照の変移は存在物の影が明らかにする。
風景(自然)に直線はないが、人工物もしくは光・音・電波などは直線的に伝導する。地中には地震波(S波・P波)が潜んでいる。
眼に見えない振動を雰囲気として受動するとしたら、これは観念である。教え込まれたデーターの集積によって予感する振動である。
日の出、日没には四季による時間帯の差異がある。年間を通し塊として感じうる相違を(4線)と称し印象を具象化したのだろうか。
それぞれの時間の総体を線状に置換したのかもしれない。説明困難なしかし確実に感じ得たとする置換は、一鑑賞者であるわたしには答えを出せないが、複合的に答を探求せざるを得ない作品である。断言・決定を拒む作品でもある。
写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館