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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞デュシャン『折れた腕の前に』

2019-07-02 06:35:54 | 美術ノート

   『折れた腕の前に』

 アトリエの天井から吊り下げられた雪かき用シャベル(レディ・メイド)、床面に横にしたり壁に寄りかけたのではならず、任意の人の前に(さあ!)というようにシャベルの暗黙の主張を誘う設定である。

 任意の人の腕は折れている、シャベルは腕の力が必須であれば、その関係は成立しない。シャベルは完品であっても使用する人に支障がある。
 折れた腕の前にあるシャベルは不要であり、存在価値を失う。あくまで人間優位の見地であり、折れた腕の前にある雪かき用シャベルの転落である。
 しかし、対象を対等に扱えば雪かき用シャベルに落ち度はなく、折れた腕の人物こそがシャベルを不要の物にしている劣勢の立場である。

 要するに「雪かき用シャベル」の存在は『折れた腕の前』で否定される無為の長物と化し、価値の認可はない。人間の利便性のためにつくられた補助具は人間の側の不足によって意味を失うということである。
 存在理由は人間を中心に振り分けられることが大半である。ゆえに雪かき用シャベルは折れた腕の前で存在理由を失い、意味あるエネルギーの燃焼に結びつかない。


 写真は『DUCHAMP』ジャニス・ミンク(www.taschenより)


『セロ弾きのゴーシュ』51.

2019-07-02 06:27:30 | 宮沢賢治

「何を生意気な。こんなばかなまねをいつまでしてゐられるか。もう出て行け。見ろ。
夜があけるんぢゃないか。」ゴーシュは窓を指さしました。
 東のそらがぼうっと銀いろになってそこをまっ黒な雲が北の方へどんどん走ってゐます。


☆化(教え導くこと)の照(あまねく光が当たる=平等)の意(考え)の記を推しはかる。
 等(平等)を吟(唄い)告げている。
 薀(奥義)が目(狙い)であり、法(神仏の教え)が総てである。


『城』3215。

2019-07-02 06:15:39 | カフカ覚書

こちらの見当だけから言っても、その陳情が当局の組織をつぶしかねないような内容であっても、かなえてやれずにはおれないことがわかっている。こういう無防備状態こそ、実務の上で経験しうる、おそらく最悪の事態でしょう。


☆絶望的だというのは無防備だからです。ここにいて相手の要求を待っている、先祖の傷痕を宣べることは好都合です。少なくとも見渡す限り、公的には正式に断絶されているので先祖に対抗するなどということは大変な恐怖です。