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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞マグリット『王様の美術館』

2019-04-22 07:06:21 | 美術ノート

   『王様の美術館』

 ただ一人の一国の王である。背後の漆黒の闇は〈孤独〉を現し、シルエットの中は暗い森から次第に明るい山へと開かれており、その中間にMuseumらしき建物が見える。(この大きさは相当に巨大である)
 暗黒のバックとを仕切るブロックの上には例の鈴(伝承・噂・言葉etc)が控えている。
 青空に浮かびあがる眼・鼻・口・・・、条件は以上である。 
 
 眼や鼻は観察、口は命令を示唆しているだろうか。支配の権限と責務、祀り上げられた者の尊厳と哀愁、静かなる上からの目線を思わせる。
 シルエットの中の深い山々、辿り着くのが困難なほどの築城(美術館/博物館)は陸の孤島としか思えない。誰も近づけず、観ることの叶わない美術館に他ならない。

 漆黒の闇(誰も知らない億年前・・・)から何時のころか、《王》という地位が確立された。その源は伝承に因るものだろうか。
 連鎖の中を生きる王様、王様の中に連綿と継続・連鎖されてきた歴史・秘宝の数々は山中秘かに眠っているに違いない。

『The King's Museum』、即ち王様の所以、国の成り立ちの歴史・根拠の集積は、誰も辿れないほどの山奥深くにあり、存在するが、見ることの極めて困難な秘奥・神秘である。


(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)


『城』3171。

2019-04-22 06:31:19 | カフカ覚書

その広い場所には、Kしかいない。彼は、闘志満々であたりを見まわして、相手をさがす。しあkし、もうだれもいなかった。祝賀に集まった連中も、四散してしまっていた。シャンペン・グラスだけが、割れて地面にころがっている。Kは、それを粉々に踏みくだいた。


☆大きな空間にはKひとりだった。彼は闘う意思を持ってこの周りをまわり、敵を探したが、誰もいなかった。団体も散り散りになってしまっていた。恥辱の苦しみを死は砕き完全に踏みつぶしてしまった。