続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

だんだん・・・。

2011-02-04 07:31:08 | 漫画
 ゴミ集積場の空き地で、日向ぼっこをしていた老人三人組。
 一人二人とあの世に呼ばれ、今は独りになったTさん、所在なげに独りタバコをふかしていた。

 悲しいような寂しいような・・・浮世。

《古賀春江》考。

2011-02-04 06:37:02 | 美術ノート
 この作家の作品には燃えるような烈しい反骨精神がみなぎっている。
 けれど、それをあからさまには見せず、きわめて静かに、冷静沈着・・・むしろ隠している。

 静かなる告発というべきかもしれない。

 先日神奈川県立近代美術館(鎌倉)に行ったおり、年間SCHEDULEなるパンフレットをもらって来た。その表紙絵に古賀春江の《素朴な月夜》があり、惹かれるものがあって凝視していいるうちに・・・その強烈な反骨精神に気づかされたのである。

 まず第一にこの奇妙な犬・・・風袋大きく強そうだけど、野犬ではない。太い首輪、防寒ではなく防衛のような物を装着したこの犬は飼いならされ訓練された護衛犬に違いない。
 卓上の豪華・・・西洋風アレンジメントの花を盛った花瓶、ビール(ワイン)、当時高価だったと思われるバナナ、卵、パイナップル、葡萄、置ききれないフルーツはテーブルの下にまで。
 しかし、奇妙なことにその卓上に工場らしき建物が並置されている。
 これは何を象徴しているのだろう・・・つまりはブルジョアジー(資本家階級)に対する物言わぬ抗議。剰余価値の独占・・・搾取への反乱である。
 その食卓に背を向けている少女・・・傍らに描かれた蝶は少女の夢の象徴か・・・蝶は夜に飛ぶだろうか。
 少女は工場の労働者かもしれないし、身を落とした蝶かもしれない。
 満月の夜に、簡素な工場には明かりはない。暗く不気味にさえ見える工場の果てには海上遠く火焔をあげた物体が・・・原子力潜水艦ではないかと思う。(小さく目立たないように描いてあるけど、水平線ギリギリであの大きさなら相当な巨船)
 満月の月に掛かる暗い影は・・・月食(地球の影)でもなく、雲も描かれてないところから、火煙の翳ではないかと推測する。 不吉の予兆に見える月に被った影・・・。
 遠く見える島(半島)の波打ち際は茶色に見える。汚染を暗示しているのかもしれない。(工場排水)
 汚染を危惧される地球、そして貧富の格差・・・。
 樹木の葉は夜だから茶を帯びているのか、はたまた・・・。遠くこの光景に張り付いたような蝶ももの悲しい。
 夜空を飛ぶフクロウも心なし重く(下界を案じているような)しっかり描かれた顔は、吹けば飛ぶような軽さの少女の簡略とは対照的である。(人間より犬やフクロウなどの動物が鮮明に描かれている・・・)
 人の品格、尊厳の喪失。

《素朴な月夜》月はありのままの世界を見ている、知っている。ありのままを肯定している月が主題のこの作品、古賀春江の静かなる告発に今さらながら感服する一鑑賞者としてのわたし。

『城』374。

2011-02-04 05:54:25 | カフカ覚書
宿屋は、Kが部屋をとっている宿屋と外面はよく似ていた。一般に、この村ではどの家も、外面的にはさして違いがないようであった。

 とっている(住む)/wohnte→wahn/妄想。
 dorf・・・来世。

☆言葉の宮(架空の世界)は、Kの妄想の言葉の宮(空想の世界)に似ていた。
 あの世は一般に、外面的には大きな差異はなく、同じような境界があった。