続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

M『秘められた競技者』

2011-02-08 07:17:54 | 美術ノート
『秘められた競技者」
 秘める・・・人には言わず、隠していること。

 カーテンは空間を仕切るもの・・・異世界(劇場)への導入、誘引。
 焦点は真直ぐ暗闇へ。
 二人の酷似した男は白い着衣(喪を暗示)、いかにも野球の競技者風である。一人は打者、後方の男はボールを待ち受けるキャッチャーのような。
 林立するポール、曲線は女体をイメージさせる。しかもこの二人の男よりもはるかに丈高い。ある意味高圧的である。
 中央の通路を挟んだ丈の低い囲いの中は男たちの立つ地上とは差異がある。ずっと低い、沈み込むように低い右側には、下着姿の女が箱(タンス)の中で口をふさいでいる。口は黙して語ることがないけれど、手は何かを暗示しているように見えるが、そのことを見せていない。しかし、意志を持って両手で何かを掲げているポーズであるらしきことは推察可能である。言いたい事を言えなかった無念・・・箱は棺を暗示している・・・彼女はすでにこの世の人ではないと思われる。スカートは皮製でかたく閉じられている(貞操の暗示か)
 右側の沈んで見える枠内のポール、および男たちと同じ地平の三本のポールには枝が伸び、花は満開である。
 満開の花・・・これは噂の花・・・風評ではないか。
 女の下着姿・・・性的な風評・・・。

 マグリットの母親は自殺している、川での投身自殺。生涯黙して語ることがなかったという母親についての感想は深く胸に秘めたまま、その生涯を貫いて抱えてしまったマグリットの謎だったかもしれない。
 
 左側のポールは、亀のようなものに隠れて見えないけれど多分、枝も花もないのではないかと思う。そういうことのないポールは心持ち浮いているように見える。

《ここには重力がない》浮遊している。二人に見える男の足元・・・靴の異常な小ささは、身体が非常に軽いことを示唆している。

 あるとすれば、精神世界の重さがあるだけである。
『秘められた競技者』この打者の両側にあるポール、この打者のバットが届く位置である。バットを振り回せば左右のポールは一撃の下に倒れてしまう距離感に見える。

 攻撃と守備・・・「お母さん、わたくしの気持ちです!」
 亀はSchildkrote・・・Schildは盾、kroteは、小さな子供。この亀の浮遊・・・ここには明らかに現実とは異なる空気が流れている。重力を解放した異世界の秘め事・・・ゲームは終わらないのである。

迷っている・・。

2011-02-08 07:00:18 | 漫画
 つるし雛講座の後のサークル・・・入会したい気持ちはあるけど、まだ迷っている。

 第一に水彩画のサークルと日時が重なることが主な原因だけど、「つるし雛はお金が掛かるわ」という声にも・・・。

 質素倹約を旨としているわたし・・・贅沢とは無縁。
 でも、もう何時死ぬかさえ解らない老年期を向かえ、これくらいのことは許してもらえるのではないか。

 二年間で、一通りのつるし雛は作成できるという。下手な水彩画を書いているよりよほど有効な時間の過ごし方かもしれない。
 1と3の金曜日を水彩画に、2と4の金曜日をつるし雛に・・・二年間、頑張ってみようか。

 まだ迷っているわたし・・・。月謝3000円は安い、習得するには最低料金、この機を逃したら、つるし雛は永遠の憧れに終わってしまう。あぁ・・・。

Re『武蔵野』194。

2011-02-08 06:48:44 | 国木田独歩
林の一角、直線に断たれてその間から広い野が見える、野良一面、糸遊上騰して永くは見つめていられない。

 林一角直線断間広野見野良一面糸遊上騰永見

☆燐(鬼火)が溢れていると書く自記。
 千(たくさん)の談(はなし)に換わり、講(はなし)が八(たくさん)現われる也。
 両(二つ)が溢れ、綿(つらなる)詞(ことば)。
 幽(死者の世界)の象(すがた)を謄(書き写し)、営(こしらえて)、現している。

『城』378。

2011-02-08 06:22:34 | カフカ覚書
亭主は、通りすがりに、相手の品定めをしているのか、それとも、ねむたいのか、どちらともわからないような小さい眼でKを見ながら、

 眼/Aogen→Organ/機関。
 小さな/klein→klar/明晰な。
 品定め/prufend→profan/世俗的な、月並みな。
 ねむたい/schlafrig→schriftlich/文書による。文字に書かれた。

☆調査しているのか、それとも文書を見ているのか、どちらなのか、明晰な機関からKを見ながら、