じきにぼくはもっと大きく揺っていた、風はもう涼しく吹いて、空には飛んで行く鳥のかわりに、顫える星があらわれていた。
☆まもなくわたしはブランコ(公平・公正)を強く揺らしていた。風は冷ややかに吹き空には飛んで行く鳥のかわりに戦慄する運命の星が現れた。
それから小鳥の群が火花のように飛び立った、目でそのあとを追いながら、かれらが人息に高く高く上って行くのではなくて、ぼくが墜落していくような気がした、ぼくは網に難くしがみついて、心細さのあまりすこしブランコを揺りはじめた。
☆それから鳥が飛散し、輝いて見えたので後を追った。一呼吸で昇っていくのを見ていると、それは本当ではなく、わたしが落ちていくようだった。わたしは網を固くつかんで、不確かにブランコ(公平・公正)を揺らし始めた。
夕方になって、僕はステッキをもったひとりの紳士がゆっくりと散歩して行くのを見た、腕を組み合せた二、三人の女の子が挨拶しながら傍らの草のなかによけてそのひとに道を譲った。
☆終末(この世の終わり)、一つになぅた大群が、ゆっくり留まっているのを見た。哀れな人たちは、対になった作り話を註解しながらも敬意を払っていた。
麦束を山のように積んでその上に男たちや女たちがのっている馬車が通った、するとまわりの歌壇はそのあいだ薄暗くなった。
☆光の束を積み、その上に男たちや女たちがのっている光の車が通った。そしてそのまわりは祈りの声で覆い隠された。
柵のむこうを絶えずなにかが通って行った。たったいま子供たちが駆けて行った、
☆以前、絶えず砦にいた子供たちが、瞬間、上へと昇って行った。
ぼくはうちの小さなブランコに腰かけていた。ぼくは両親の家の木陰でぼんやりと休んでいたのだ。
☆ぼくは小さなブランコ(公平・平等)に乗っていた。ぼくは両親が結ばれたことで、まさしくここにいる。
真夏には車の木製の輻や轅蛾なんてひどい音を立てることだろう! 日雇い労働者たちが野良から帰って来て、破廉恥なほど大笑いしながら遠ざかって行った。
☆冥土のサマエルがスポークをうまく回していた。現場不在の戦場は、報復が原因である。
国道の子供たち
ぼくは馬車が庭の柵のむこうを通り過ぎて行くのを聞いた。とこどき、かすかに戦いでいる草叢の隙間からそれが見えたりした。
☆放浪者の子孫
こぐま座(北極星の至近を回る星)にある安全な砦が奪われていくのが見えた。
さあ、もう出ていってちょうだい、出ていって!」
kは、すでに玄関にいた。ゲルステッカーがまたもや彼の袖口をつかんだとき、お内儀が、彼にむかって叫んだ。
「あす、新しい服ができてくるのよ。もしかしたら、あなたを呼びにやらせるかもしれません」
☆さあ、すでに一時的に閉じています。Kは産褥(お産のためのベッド)にいたが、ゲルステッカー(死神)が再び彼の袖口をつかんだ時、女主人は、彼に向かって叫んだ。
「新しい氏族として迎えに行くかもしれません」
びっくりなさって」
「いいえ、たぶんそういうことだろうと見当がついていましたよ。あなたはたんなるお内儀さんだけじゃない、とさっきも申しあげたでしょう。あなたは、なにかほかの目的をもっていらっしゃる」
「わたしの目的は、美しい衣裳を身につけることだけですわ。あなたは、おばかさんか、子供か、でなければ、腹ぐろい危険人物だわ。
☆驚きましたか」「いいえ、そんなことだろうと思っていました。あなたはただの女主人ではない、あなたは目的を持っている」
「わたしの目的は立派な氏族になることだけです。あなたは、その親密さ、先祖の子供、あるいは先祖の腹を立てている重大な人物だわ。