夕焼け金魚 

不思議な話
小説もどきや日々の出来事
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300文字小説 あの日だけ

2012-07-14 | 創作
貴方とのデートはいつも走り回っていましたね。
電車に乗るときは、乗り継ぎの為に3両目の右側がいいとか。
ドアが開くと私の手を取って、ホームを横切って階段上り下りすると電車が入って来て、いつも間一髪で乗りましたね。
間に合うと「ついてる」って小さくガッツポーズして。
貴方が喜ぶから、私もデートの時はヒールじゃなく、底の低い靴にしていました。
レストランに行っても、映画の時間ばかり気にして。
5分空いたら、すぐ近くの名所とか見てからバスに乗りましたね。
いつも予定たてて、スケジュール一杯。
いつも時間と追いかけっこして。
でも、どうしてあの日だけゆっくりしたの? 。
公園で鳩に半日エサやりましたね。
鳩に名前まで付けて、ベンチにいました。
だから、あの日だけ、あの日だけしか思い出さなくて、ずっとずっと一緒にいたのに。
 これからも、ずっと一緒だと思っていたのに。


 追伸
 金沢の金魚です。
 貴方のこと思い出して1ヵ月ほど書いていました。
 もう、時間は動き出しましたか? 
 今頃になってやっと時間が止まるという事が分かったような気がします。
 懐かしいなと思ったら、連絡下さい。
 コメントでも頂けると飛び上がって喜びますから。
 






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