夕焼け金魚 

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クリスマスケーキの思い出

2013-12-26 | 創作
学生時代、私は近所のケーキ屋さんで街頭販売のアルバイトをしていました。
このアルバイトの良いところは、必ずクリスマスの日に一個ケーキが貰えることです。もちろん、無料です。ケーキ屋さんは売れ残りとして損金処理するから、実損はありませんけど、私としてはバイト料のオマケで嬉しかったです。
ケーキを持って一人で冷たいアパートに帰るのですが、途中の神社に立ち寄っていました。バイトが終わってから帰るのですから、もう夜も遅いのですけど神社には、いつも三人の子供が待っていてくれました。
神社の祠に座ってケーキの箱を開くと、どこからともなく三人の子が現れるのです。
一切れずつ子供達の手に渡すと本当に、嬉しいそうな顔をしてケーキを食べるのでした。
私も一人で食べるよりは楽しくて、毎年そこにいっていたのです。
ケーキを食べ終わると、三人の中で一番下の女の子の手を握って帰るのでした。
歌を唄って帰ったと思うのですが、何の歌を唄っていたのかどうにも思い出せないのです。
私のアパートの近くまでしっかり手を握っているのですけど、アパートが見える道に来ると、スッと手が離れて三人ともいなくなってしまいました。
卒業してからは、一度も行ってませんけど、どこの子だったのか、急に最近思い出すことが多くなりました。

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