夕焼け金魚 

不思議な話
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あだ名は「金魚」

2015-02-11 | 創作
私が金魚と呼ばれるようになったのは、中学の頃です。
中学生になって暫くした頃、友達と雑談していた時に、女の子に「あら、金魚」って声をかけられたのです。
彼女はクラスで1、2位を争う美人でした。
男子の仲間内では断然の1位だったのですが、彼女がクラスの別の女子の方が美しいからと言うので2位になっているのですけど、おかしな事ですが学校中にしても1位か2位になるのです。
彼女に言わせると「1位になっちゃうと上がないでしょ、どこにいても2位がいいの。でも、3位はダメ。上に一人は許すけど二人もいたらその他大勢になっちゃうから」と言うのです。
この話は別の機会にして、彼女に声をかけて貰うだけの為に学校に来ていると言う奴がいる程だったのです。
勇気を振り絞って、こちらから話しかけても「そうですか」とか「はい」程度しか声を聞くことが出来ないのに、向こうから話しかけられたのです。
たとえ、ひと言とはいえ彼女から声かけられたと言うことは、目にとまったという事ですから、彼女のファンクラブからは羨望と嫉妬、そして怨みの対象になることなのです。
なぜ私を見て「金魚」と声をかけたのかと言うと、後で聞いた話なのですが、私の肩に金魚が浮いていたそうです。
もちろん、実際の金魚じゃないのですが、金魚を守護霊にしているのは珍しいかったそうです。
そう、彼女は霊感少女。それもトップクラスというか、最強レベルの霊感なのです。私も少し見えますけど、彼女に比べればとてもとても、格が違うというか、別次元にいるというか、桁違いなのです。
私は、守護霊なんて見えないし、まして動物霊なんて見たことありません。
動物を飼っていて亡くなって、近くの空き地やまして庭などに埋めたりすると、動物霊が憑くことがあると言われています。
可愛がっていて、動物も良い感情を持っていればいいのですが、嫌う動物もいると言いますから、ペットが死んでも近くに埋めない方がいいですよ。やっぱり、焼くなりしてそれなりの場所でないと。
庭などに埋めて、忘れて踏んでいたりしたら、やっぱり良くないですから。
彼女から「金魚」と呼ばれて以来、仲間内では「金魚」と呼ばれることになりました。
大学に行ったときもそうです。
仲間内の歓迎コンパに参加したとき、綺麗な人だなと思っていた人が、私に近づいてきて「金魚、飼ってられるんですか」と最初に聞かれてびっくりした記憶があります。
その時も金魚が私の肩に停まっていたようです。それ以来、仲間内では「金魚」と呼ばれることになりました。
女の方の、それも皆さんの注目を集めている方のひと言って凄い影響力があると実感しました。
それと、私も中学の頃と大学の頃に彼女たちに「金魚」と呼ばれたことが、嬉しかったりして、今もペンネームに使っています。
もしかしたら、彼女が「あら、金魚さん、まだいるのですね」なんて言われたくて。

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