夕焼け金魚 

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虹の味

2024-07-17 | 創作
女の子がお母さんに聞きました。
「ねぇ、お母さん。虹ってどんな味がするの」
「虹の味、分からないわ。お母さん食べたことないもの」
「そうなんだ」
女の子はガッカリして下を向いてしまいました。
答えを言えなかったお母さんは女の子を元気づけるために、言ったのです。
「お父さんなら、知ってるかも。聞いてご覧なさい」
「そうか、お父さんなら何でも知ってるから教えてくれるかも」
女の子はウキウキしながら、お父さんに聞きました。
「ねぇ、お父さん。虹ってどんな味がするの」
「虹、食べたこと無いなぁ」お母さんと一緒な事を言います。
「ダメ、その返事はお母さんから聞いたから、他の返事にして」
女の子が怒りました。
女の子に怒られても、知らないことは分かりません。
「なら、おじいさんに聞いてごらん。おじいさんなら、きっと知ってるから」
そうか、おじいちゃんなら知ってるかも。
女の子はウキウキしておじいちゃんに聞きました。
「おじいちゃん、虹つてどんな味なの」
「虹、おじいちゃんも虹は食べたことが無いなぁ」と困ってしまいました。
「食べ物はおばぁちゃんが詳しいから、おばぁちゃんに聞いてごらん」
女の子はおばぁちゃんに聞いてみました。
「おばぁちゃん、虹ってどんな味なの」
「虹、おばぁちゃんは食べたことも作ったこともたこともないねぇ」
「もう、みんな知らないの」と女の子は怒り出しました。
おばぁちゃんも困りましたけど、知らないことは答えようがありません。
「虹の味、どうして知りたいの」
「だって、幼稚園の先生が虹は何食ですかって聞いたの」
「何色」
「そう、和食とか洋食とかテレビで言ってたから、虹も食べ物なんでしょう。だからどんな味なのか知りたくて」と言うのです。

絵本の原作風です。
今回はオバァチャンのところで終わりにしましたけど、親戚の人の処に行ったり、街の物知りさんの処に行ったりしたら、大きなカブ並にできます。

で一句。

 虹の味 天にも昇る 旨さかな

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