元祖ふとねこ堂さんが「銀の猫」の文庫本の帯の絵を描かれたと友達から聞いたので、早速図書館に予約して読みました。図書館の本なので残念ながら帯はついていません。表紙の絵も描かれているので良かったです。本の内容は江戸時代の「介抱人」のお話です。現代のお話といっても通じるような内容でした。今なら介護職員と呼ばれている職業です。主人公「咲」が初めて介抱したのは嫁ぎ先の舅でした。舅から銀で細工した座り猫の小さな根付をもらいました。それを守り袋に入れ肌身離さず持ち歩いています。その後いろいろな事情で離縁され、口入屋の鳩屋で働いています。鳩屋から紹介されて介抱先で3日泊まり込み1日休むというシフトです。辛いことがあると懐の銀の猫にそっと触れ気持ちを落ち着かせるのでした。介抱先では次のような歌を聴いたのでした。
ーしわがよる、ほくろができる、せはちぢむ、頭ははげる、毛は白くなる。手はふるう、足はよろつく、歯はぬける、耳はきこえず、目はうとくなる。身におうは頭巾えり巻、杖、眼鏡、たんぽ温石、しびん孫の手。くどくなる、気みじかになる、愚痴になる、心はひがむ、身は古くなる。聞きたがる、死にともながる、淋しがる、出しゃばりたがる、世話をしたがる。又しても同じ咄に、子をほめる・・・達者自慢に、人は嫌がるー
昔の人が詠んだ狂歌だそうです。年を取ることはこうもたくさんのことが起こるのかと笑ってしまいました。「親の介抱に尽くした者ほど、自身は誰の世話にもなりたくないと口にする」とも書いてあります。誰でもぽっくり亡くなるのが理想ですが、いつどこで何が起こるかわかりません。お咲さんの心のこもった介抱にほっと安心します。特別に介護の勉強や訓練も受けていませんが、人の気持ちを察して毎日努めていたらこのように介抱の達人になるのだとわかります。「やはり介抱にはもう1人、『誰か』が必要なのだ。身内か近所の者か、そして介抱人かがそばにいれば、支え合える。」とも書いてあります。1人では難しいです。両親の介護の時に読んでいれば良かったなと思いました。また、将来介抱される身になるかもしれない自分にしっかりと言い聞かせておきたいとも思いました。
2024-6-16(日) 図書館資料 請求番号:B/913/時代/アサ
「私たちの年代は親の晩年の面倒を見た最後の世代であり、自分たちの世代は子どもに直接には面倒を見てもらわない最初の世代である」
なるほどそうかもしれいないなと妙に納得した覚えがありました。
まさか世界中がコロナでパニックになるとは思っていませんでした。
出生率が低いのも子供には面倒見てもらわないというのが大きいのかもしれませんね。
子育ても昔と今では変わっています。
ご飯とおかずをバランスよく食べていましたが
最近は野菜を食べて最後に炭水化物を食べるとか些細なことも変わっています。
また現在良いとされていることも何十年か後には変わるのでしょうね。
金さん銀さんではありませんが、嬉しいような淋しいようなですね。