新型コロナウィルスで図書館が閉まっているので、やはり息子の本「野生の呼び声」を読みました。カリフォルニアの大きな邸で飼われていた犬「パック」がある日突然盗まれて、アラスカへ連れて行かれました。この時アラスカのゴールドラッシュで、犬ぞり用の体格の良い犬を必要とする人が大勢いました。お父さんがセントバーナード、お母さんがシェパードで、大きな体格・体重はお父さん似、外観はお母さん似、知性は両親から受け継いでいるパックに目を付けられました。犬ぞりの一員として過酷な人生(犬生)を送ります。アラスカへ連れて行かれるまでも沢山の人間に引き渡され、叩かれ、理不尽な目に遭いながら、パックはペットから逞しい犬ぞりの第一人者(第一犬者)に成長します。アラスカで何人も飼い主が変わりますが、そんな中ジョン・ソートンに巡り合い、本当に愛するということを深く知ります。アラスカで野生に目覚め、狡猾さはオオカミの野獣そのものでした。大きな雄ジカと戦うシーンやインディアンのイーハット族と戦うシーンなど短い物語の中に、見どころ読みどころが満載です。激烈な試練から得た経験がいかなる動物にも劣らない、恐るべき動物となり、肉食獣として絶頂期を迎えます。生命の最高潮です。オオカミの群れの長となり、オオカミの群れの歌である太古の世界の歌を歌いながらかけていく姿で終わります。パックにどんどん惹きつけられあっという間に読み終わりました。この本を読んでいると、私の内にも代々伝えられた何かがあるのだと思いました。過酷なことに面した時に目覚める本性、普段の生活にも出ているかもわかりません。受け継がれたものを最大限に生かさないとと思いました。感動の一冊でした。おススメです。
2020ー4ー30(木) 所有本