Sera の本棚

感動した本のことや映画を見たり、コンサートへ行ったりした感想、高槻の写真など記録できたらいいなあと思います。

望月青果店ー小手鞠るい作

2024-10-29 15:00:00 | 

小手鞠るい作「望月青果店」を読みました。全盲のピアニストの旦那様と盲導犬茶々と鈴子はアメリカニューヨークに住むことになりました。そんな娘のもとに、母の様態が悪いと父親から連絡が入ります。あいにく大雪で停電になったり、飛行機が飛ぶかと心配したり、いろいろな思いが交錯してイライラが募りました。岡山の家族のことや友達のことを思い出しました。苦い思い出、楽しかった思い出、甘酸っぱい思い出。母親には会わない方がいいと思ったり、会わなければならないと思ったり心が揺れます。私はお母さんっ子だったので、母を嫌いになることはなかったので、母娘でそこまで言い合うかと思いました。

2024-10-27(日)図書館資料 請求番号:913/コデ

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みんなで一人旅ー遠藤彩見作

2024-10-17 11:06:22 | 

「みんなで一人旅」遠藤彩見作を読みました。一人旅にもあこがれているので題名に惹かれて図書館で借りました。短編集で一人旅に限らず、男性二人旅もあり、社員旅行もあり、出張もあり、日本に居ながらハワイ旅行を体験出来たり、色々な旅が書かれていて面白かったです。
行先は1.長野県・戸隠神社2.ローマ・フィレンツェ3.韓国・江南4.那覇・シンガポール5.ロシア・ウラジオストク6.滋賀県・長浜7.新宿でハワイ旅行をバーチャル体験
それぞれ個性的な旅で旅情を掻き立てられます。旅の中に人生模様が描かれていて、希望が見えたり、現状を受け入れられたり、優しい気持ちになれたりと、読後は一緒に旅した気分になり良かったです。面白かったので遠藤彩見さんの書かれた本をもっと読みたいです。

2024-10-17(木) 図書館資料 請求番号:913/B/エン

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レオナルド・ダ・ヴィンチ上下ーウォルター・アイザックソン作 土方奈美訳

2024-09-25 16:32:41 | 

ウォルター・アイザックソン作「イーロン・マスク上」「イーロン・マスク下」の本を読みました。面白かったのでウォルター・アイザックソン作の他の伝記を読みたいと思って検索したら「レオナルド・ダ・ヴィンチ上下」の本を見つけました。以前読んだ「機能不全家族」の本にレオナルド・ダ・ヴィンチは「機能不全家族(健全に機能していない家庭)の中で育った」と書いてあったので、いつか伝記を読みたいと思っていました。図書館の本を借りて読みました。

レオナルドは美しい容姿、筋骨たくましい体格、そして穏やかな性格だったそうです。圧倒的に美しく、どこまでも優雅な男で、驚くほどハンサムで、どれほどふさぎ込んでいる者でも癒されるような温かみがあったそうです。頭脳明晰で寛容で、表情は生き生き、優雅、気前がよく、いつも華やかな装いをしていました。物惜しみせず、富める友も貧しい友も分け隔てなく自宅に招いて食事をふるまいました。お金には頓着せず物欲もありませんでした。ローマに住んでいたアルベルテ(当時60代)曰く「誰でも3つの領域で美しさを磨くべきだ。町を歩く姿、馬に乗る姿、そして会話術」。フィレンツェに住んでいた10代のレオナルドは3つすべてに秀でていたそうです。あらゆる動物を愛し、動物好きが高じて人生のほとんどを菜食主義者として過ごしました。発明の才能は驚くばかりでした。
人相学や手相学は科学的な根拠がない、錯覚にすぎないと主張していましたが、表情は内面的要因の表れであるとと考えていました。顔の特徴にはその人の性格、邪悪な部分や気性が表れていると思っていました。建築家、機械工、音楽家、詩人、芸人、さらには軍事技術者、演劇プロデューサー、こうした役割のすべてを果たせると自認していました。宮廷付の演劇プロデューサーになりました。画家としてもすぐれていました。体の動きだけでなく心の状態や動きを描き出そうとしました。その技術がありました。ひだの描き方を学んで輪郭や縁をぼかすスフマートという技法を生み出しました。また、何十体も解剖して、240点以上のデッサンが残っています。そのデッサンは芸術的にも素晴らしいものです。人体のあらゆる骨、筋肉群、主要な臓器が詳しく説明されています。解剖学研究の最大の業績と言えるのが大動脈弁の仕組みを解明したことです。論文も手掛けていましたが、中途半端に終わっています。その意義が本当に理解されたのは、ようやく最近になってからです。20個のスケッチと数百ワードの注釈からなる分析は6ページにも及びます。これほど多くの分野で創造性を発揮したものはいませんでした。
作者は7200ページのダ・ヴィンチ自筆のメモを読破してこの本を書かれました。出発点は芸術作品ではなく、このメモ、ノートでした。「芸術と科学、人文学と技術といった異なる領域を結びつける能力こそが、イノベーション、イマジネーション、そして非凡なひらめきのカギになる」と書かれています。未完の作品が多いですが、未完の完璧さがある未完の達人と書かれています。レオナルド・ダ・ヴィンチはゲイでした。それを隠そうともしなかったそうです。本の内容はそれぞれの分野で専門的に詳しく書かれているので難しかったです。そんなに素晴らしい人となりでカッコ良くて、一目お会いしたかったなと思いました。

2024-9-25(水) 図書館資料 請求番号:702.3/レー1,レー2

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上海灯蛾ー上田早夕里作

2024-08-25 15:41:29 | 

友達に教えてもらって「上海灯蛾」を読みました。とっても面白いです。物語は1945年上海の黄浦江へ死体を沈めるところから始まります。はて?誰の死体なのか?それは最後に分かります。
主人公は吾郷次郎、田舎の小さな農家に生まれ、貧しい生活にいや気がさして上海へ渡ってきました。最初は雑貨屋を営んでいましたが、原田ユキヱから持ち込まれた上質の阿片によって、青幇(チンパン)ー記録を残さないことを掟とした秘密結社で中国の裏社会を取り仕切っているーとかかわりを持つようになっていきます。阿片で日中両軍、央機関、青幇(チンパン)などが望外な資金を調達していました。ビルマ、タイ、ラオスの三つの国が接する地帯は、世界最大の麻薬密造地帯「黄金の三角地帯ーゴールデントライアングル」となったのは戦後だそうですが、19世紀から阿片の栽培と流通が行われていました。吾郷次郎は日本人でありながら中国人の楊直(ヤンジー)と義兄弟になり、中国名黄基龍(ホアン・ジーロン)を名乗るようになりました。黄基龍は語学(中国語・英語)を学んで阿片の育て方、流通の仕方など学びました。どんどん阿片地獄に足を突っ込み、危険な世界で生きるようになりました。

「金とは手にすればするほどもっとほしくなり、ひとたび苦労せずに得る方法を知ると、苦労する気がなくなってしまうのだった。金は金のあるところへ集まり、持っている者はさらに増やし、持たぬものは失うばかりなのだ。」
「自分も楊直も、眩いばかりに輝く上海に惹きつけられ、その火の周囲で舞い踊った蛾にすぎない。この町に引き寄せられた無数の人間がそうだ。だが、ユキヱは違うのだ。ユキヱだけは灯火だったのだ。蛾を誘い、蛾の目を眩ませ、蛾を焼き尽くすために強烈な光を放つ、復讐に燃え狂う炎そのもの。」

人間の欲のせめぎ合いで、ハラハラドキドキの連続です。真実がなかなか見えてきません。残酷なのですが、小説が上手に書かれているので引き込まれて最後まであっという間に読めました。また上田早夕里さんの書かれたものをぜひ読んでみたいと思いました。教えてもらってありがとう。

2024-8-25(日) 図書館資料 請求番号:913/ウエ

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イーロン・マスク下ーウォルター・アイザックソン著 井口耕二訳

2024-08-17 16:21:53 | 

イーロン・マスク上、下」を読み終わりました。作者は2年間影のように、イーロン・マスクについて回って取材しました。イーロン・マスクは小さい時に南アフリカ共和国でいじめにあったり、お父さんからひどい仕打ちを受けたりしたので、少々のことでは決してへこたれない強い心の持ち主です。生か死かという状況でないと、毎日、モチベーションを保つのが結構難しくなってしまうそうです。状況がひどくなるほど元気になります。イーロン・マスクの本質は命がけの戦いこそ、前に進み続ける原動力だと書かれています。育った環境は悪かったのかもしれませんが、一概には悪いとは言い切れないと思いました。イーロン・マスクは個人秘書もスケジュール担当者もなくして、自分の予定は自分で管理していました。ですから何でも対応が早いです。ビル・ゲイツと会うことになった時も、ビル・ゲイツはお互いのスケジュール担当者に連絡して決めようと思いましたが、イーロン・マスクは直接電話してくださいと言ったそうです。そうなるとビル・ゲイツも自分で連絡しないと失礼だと思ったそうです。また、ロシアがウクライナに侵攻した時、ウクライナの通信インフラを集中的に狙いました。これでは指揮命令系統がマヒし、防御らしい防御ができないとマスクに助けを求めました。副首相ミハイロ・フェドロフはツイッターで「スターリンクのステーションをウクライナに提供していただきたい」と支援を要求しました。スターリンクというのはスペースXが運用している衛星です。インターネットアクセスサービス並びに衛星コンステレーションです。マスクはスターリンクキットを大量にウクライナへ送りました。ところが停電で端末が使えないことを知ると、携帯型のソーラーとバッテリーのキットも送りました。マスクは何でも簡単にして、経費を浮かせることを考えます。「ハエを殺すならハエたたきにすべきで、巡航ミサイルを使うのは愚の骨頂だ」と言ったそうです。AIの安全性にも早くから気を遣っています。危険性を抑え、人類の意識を生きのびさせる。石橋をたたいて渡るNASAに対して、失敗して学ぶを基本にすべきだと考えています。「リスクは取る、爆発から学ぶ、改修する、もう一度やる」。必ず最後まで全力で戦い抜きます。そうして着陸・再利用できる軌道ブースターファルコン9を開発しました。再利用するという考え方すらなかったのに実現させました。作者は述べます。

「マスクという人間を丸ごと受け入れることなく、我々はロケットを軌道まで打ち上げたり、電気自動車の世界に足を踏み入れたりできるのだろうか。」

マスクはあまりにも先の未来を見据えているので絵空事のように思いますが、そこにはしっかりとした物理的な、証明できるような何かをわかっているのだと思います。「内耳の蝸牛を刺激して聴覚障害を治す。視覚だって実現できる。」まさに神業レベルですが、それがマスクです。車椅子の人が歩けるようになるかもしれません。頭が良くて、いろいろな方面に興味があるので知ろうとします。いつの日かマスクなら実現すると思うとどれほど明るい未来なのかと嬉しくなりました。

イーロン・マスクが経営している会社

  1. テスラ
  2. スペースXとスターリンク部門
  3. ツイッター(X)
  4. ザ・ボーリング・カンパニー
  5. ニューラリンク
  6. X・AI

2024-8-17(土) 図書館資料 請求番号:289.3/マー2

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イーロン・マスク上ーウォルター・アイザックソン著 井口耕二訳

2024-08-06 09:27:33 | 

かなり前に図書館で予約した本です。仲良しの友達が「イーロン・マスクの本とか読んでるのと違う?」というのでビックリしました。何も話していないのにどうして知っているのかなと思いました。私の普段の様子を見ていて好きそうだと思ったようです。何でもよく見てくれていると思って嬉しかったです。その本をやっと読めるときが来ました。イーロン・マスクのお父さんはエンジニアで性悪で急に爆発するようなわけのわからない人です。お母さんは美人でモデルでイーロン・マスクが8歳の時に離婚しました。イーロン・マスクはアスペルガー症候群です。人とのコミュニケーションが苦手ですが、集中力があり、小さい時からロケットや火薬で遊んでいました。大学では物理学を専攻、ビジネスの学位も狙ったそうです。大学院に進学する頃には人類に大きな影響を与えることがしたいと考えました。思いついたのは3つ

  1. インターネット
  2. 持続可能エネルギー
  3. 宇宙旅行

会社を立ち上げては売ってお金持ちになっていきました。夢の実現に向けて2002年スペースX(宇宙輸送サービス会社)を設立しました。宇宙輸送コストの削減を徹底します。部品を発注すると高くつくので自社で製造し、軍やNASAの仕様や要件を勧告として扱い、理にかなっているかどうかを追求します。それによって驚くほどコスト削減につながります。こんな方が日本の政治家になってほしいなと思いました。そうしたらどんなに税金が有効に使われるかと思いました。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、ジェフ・ペゾスも歯に衣着せぬ物言いだそうです。「もしかして、あの性格と成果はセットなのか?」と書かれています。イーロン・マスクは2008年からテスラのCEOになり、電気自動車や太陽光発電を手がけ、「エネルギーイノベーションの会社」だと言っています。また、タイの洞くつで少年12人とそのコーチが閉じ込められるという事件がありました。1通のメールからアクションヒーローに切り替わり、即対応して技術者などを派遣します。スペースXの帽子をかぶったタイ首相が出迎え、イーロン・マスクを洞窟まで案内しました。とにかく仕事が早いです。誹謗中傷にもさらされます。テスラの株価が下がったり考えることがすごく多いのですが、夢の実現に向かって進んでいるのには感心しました。まだ「イーロン・マスク上」しか読んでいませんが「イーロン・マスク下」を読むのが楽しみです。図書館で借りた本で、返却日が近づいているので「イーロン・マスク上」だけの感想を書きました。

2024-8-6(火) 図書館資料 請求番号:289.3/マー1

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名画を見る眼、続名画を見る眼ー高階秀爾著

2024-07-26 19:51:38 | 

名画を見る眼」の方はルネサンス期から19世紀中葉マネまでの代表的な作品について書かれています。ちょっと説明を読むだけで名画に興味を持ったり、そういう意味だったのかと納得できました。今までは絵なので好きなように鑑賞すればいいかと思っていましたが、好きな絵にしてもどこが気に入っていたのかがわかってこの本を読んで良かったと思いました。絵が掲載されていますが、白黒で小さいのでわかりにくいです。最近はすぐにスマホで検索してカラーで観られるので嬉しいです。拡大したりしながら読み進みました。

  1. ファン・アイク「アルノルフィエ夫妻の肖像」ー徹底した写実主義ー
  2. ボッティチェルリ「春」ー神話的幻想の装飾美ー
  3. レオナルド「聖アンナと聖母子」ー天上の微笑ー
  4.  ラファエルロ「小椅子の聖母」ー完璧な構成ー
  5. デューラー「メレンコリア・I.」ー光と闇の世界ー
  6.  ベラスケス「宮廷の待女たち」ー筆触の魔術ー
  7. レンブラント「フローラ」ー明暗のなかの女神ー
  8. プーサン「サビエの女たちの掠奪」ーダイナミックな群像ー
  9. フェルメール「画家のアトリエ」ー象徴的室内空間ー
  10. ワトー「愛の島の巡礼」ー描かれた演劇世界ー
  11.  ゴヤ「裸体のマハ」ー夢と現実の官能美ー
  12. ドラクロワ「アルジェの女たち」ー輝く色彩ー
  13.  ターナー「国会議事堂の火災」ー火と水と空気ー
  14. クールベ「アトリエ」ー社会のなかの芸術家ー
  15. マネ「オランピア」ー近代への序曲ー

続名画を見る眼」の方は印象派からフォーヴィスム、キュビスムを経て抽象絵画にいたる近代絵画の巨匠14人の作品について書かれています。

  1. モネ「パラソルをさす女」ー光への渇望ー
  2. ルノワール「ピアノの前の少女たち」ー色彩のハーモニーー
  3. セザンヌ「温室のなかのセザンヌ夫人」ー造形のドラマー
  4. ヴァン・ゴッホ「アルルの寝室」ー不気味な内面世界ー
  5. ゴーガン「イオ・オラナ・マリア」ー異国的幻想ー
  6. スーラ―「グランド・ジャット島の夏の日曜日の午後」ー静謐な詩情ー
  7. ロートレック「ムーラン・ルージュのポスター」ー世紀末の哀愁ー
  8. ルソー「眠るジプシー女」ー素朴派の夢ー
  9. ムンク「叫び」ー不安と恐れー
  10. マティス「大きな赤い室内」ー単純化された色面ー
  11. ピカソ「アヴィニョンの娘たち」ーキュビスムの誕生ー
  12. シャガール「私と村」ー回想の芸術ー
  13. カンディンスキー「印象・第3番」ー抽象絵画への道ー
  14. モンドリアン「ブロードウェイ・ブギウギ」ー大都会の造形詩ー

こちらの方は知っている絵や好きな絵が多かったので面白かったです。ゴッホの絵、ゴーガンの絵、スーラ―の絵など解説を読んで益々好きになりました。また今までルソーの「眠るジプシー女」の絵は意味がわからないと思って観ていたのですが、「描かれた詩であり、ライオンと河は眠る女の夢に出てくるものであろう」と書かれていたのでそういう意味かとやっと分かりました。「キュビスム」という言葉は今まで読んだ本にも何回も出てきましたが、もう一つ理解できませんでした。キュビスムは嫌いだと思ったくらいです。キュビスムはキューブ(立方体)から来ていて、視点の複数化ということらしいです。ちょっとはキュビスムの毛嫌いがなくなりました。

今夜(27日早朝)はパリオリンピックの開会式があります。この本に出てきた人生をかけた芸術家をリスペクトしながら、開会式を、セーヌ川の景色を、船で行進する選手たちを見届けたいと思います。フランスTGVのあちこちでテロのような事件があったようですが、パリオリンピックの開会式が成功しますように心から祈ります。

2024-7-26(金) 図書館資料 請求番号:723/ター1、ター2

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何げなくて恋しい記憶ー随筆集 あなたの暮らしを教えてください 1

2024-07-09 16:06:05 | 

「暮しの手帖」に掲載された随筆を選りすぐり、4冊にまとめられたシリーズの第1冊めです。70名の有名な方の短い随筆が掲載されています。山田太一さんや三浦しをんさん、大竹しのぶさん、秋野暢子さん、内田樹さん、木内みどりさん、増田明美さん、ジェーン・スーさんなど書き上げたらきりがありません。私の好きな片桐はいりさんの随筆も掲載されています。「とけないまじない」と題して「初物」のことが書かれていました。やはり片桐はいりさんは食べるのが本当に好きなんだなと思いました。最後は俵万智さんです。さすが、詩的な随筆でした。
ー「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさー
「サラダ記念日」に掲載された短歌についても書かれていてとても懐かしかったです。

2024-7-9(火) 図書館資料 請求番号:E/913/ナニ

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風俗時評ー花森安治作

2024-06-28 11:19:00 | 

図書館に行った時に花森安治さんの本が目に入りました。大昔、「暮しの手帖」の雑誌を購読してお料理や家事など教えてもらいました。花森安治さんの表紙絵が好きでした。懐かしくて借りることにしました。薄い本なのですぐ読めます。靴について、服装について、お酒の飲み方について、大阪の暮らし東京の暮らしについてなどが書かれています。大阪の女の人の服についてとても褒められていたので意外に思って読むとやはり単なる褒め言葉ではありませんでした。

ーこれはどうも東京よりずば抜けて洗練されている、垢抜けている、そういう服を着ている人が多いのですね。これはどうも東京にいますと、つい、上方とか、贅六とか、大阪人はけちであるとか、商魂が逞しいとか、ヤボったいとか、ごたごたしているということが定評になっていますが、その定評を頭の中に入れて、さて大阪の駅に下りますと、実際これはちょっと驚いたわけです。デザインは洗練されていますし、色の感覚も悪いわけではない。ー

とちょっと嬉しくなるのですが、まだ先があって、大阪漫才式にとは書かれていますが、「これで顔がなかったらもっといい」なんて落ちがあるのです。実際は顔のことではなく服装のことです。
また、大阪の女の人は冬はスラックス(パンツ)が多いらしいです。理由を聞いてみると「そら、冬は寒いから、しょうがあらへん」と合理主義に徹しているそう。最後に花森安治さんはこのようなことも書いておられます。他人の目の色を気にせず、着たり、はいたり、持ったり。何しろ短い一生涯なのですから、せめて着たいものくらいは着たいように着て暮らしたいと思います。賛成ですと声を挙げました。

2024-6-28(金) 図書館資料 請求番号:B/E/913/ハナ

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愛してよろしいですか?-田辺聖子作

2024-06-27 12:24:56 | 

田辺聖子作「愛してよろしいですか?」を読みました。ハイ・ミスがローマへ行った時に1回り年下の男性と出会い、帰国してから恋するというお話です。今時分「ハイ・ミス」という言葉を知っている人がいるかなと思いました。婚期を過ぎた未婚の女性のことですが、最近は婚期ってありませんね。何歳で結婚しても良い時代です。いつの世も女性が自立するのは大変なことだと思います。主人公も年下の彼氏も大阪の人なので面白かったです。ハイ・ミスだけあって手の内をなるべく見せないで有利に事が進むことを願っていますが、反対に裏目に出たりしました。恋する気持ちに年は関係ないと思いますが、女性が年上の時はあまり積極的にも行けないし難しいなと思いました。読みやすくあっという間に読み終わりました。

2024-6-25(火) 図書館資料 請求番号:B/913/タナ

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