柴田錬三郎作の水滸伝を読みました。私が最も不得手としている分野の本です。歴史小説、戦いの物語、登場人物はほとんど男性というのは今まで映画でもテレビでも本でも避けてきました。ネットで知り合ったちはるさんに薦められたので読んでみようと思いました。読み始めると面白くて、長い小説もあっという間に読み終えました。内容をどれだけ把握しているかは疑問ですが・・・漢字がたくさん使われていて昔の漢字が多く、中国の読みの難しい漢字なども出てきます。登場人物もたくさんで、名前が似ています。李・宋・孔・黄・盧・趙・楊など日本の佐藤さんや田中さんみたいなものです。慣れるまで時間がかかりました。中国の賄賂がまかり通った時代、無実の罪で追われた好漢が梁山泊に集合し、私利私欲の役人と戦います。次から次へ戦いがあり、ほっと一息つく暇もありません。よくこれだけ戦いがあるなと感心するぐらいでした。中国人は小柄な印象がありますが、好漢は巨躯ぞろいでこれだけそろえるのは普通でない、中国全土から集まったのではないかと思いました。戦いのすごさは言葉にならないぐらいです。こんなむごい表現が出来るのは作者が戦争体験があるとか死に直面したことがあるのではないかと思いました。この物語は梁山泊に好漢が集結するまでが書かれています。私は読んでいるときから最後に官軍とどのように戦うのかと興味を持って読んでいたので、そこまで書かれていなかったのでちょっとガッカリしました。柴田錬三郎さんはここで筆を置くのが一番いいと思われたのだと思います。様々な戦いがありました。詳しいいきさつや大勢の人物の相関はややこしくて1回読んだだけでは理解できていませんが、すがすがしい好漢の心意気は十分伝わってきました。でもやはり私は最後まで知りたいので、児童書の「水滸伝」下を借りてきました。どんな結末があるのか読んでみようと思います。
お気に入り度:★★★★★ 図書館資料 請求記号:B/シバ1・2・3