労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

東アジアの“反省過程”

2010-10-01 00:45:32 | Weblog
 ヘーゲルによれば、“反省”というのは“事象のはね返り”、つまり、“反映”のことらしいが、われらの「労働者のこだま」が労働者階級の声を反映させようと努めているのに対して、東アジアで響きわたっている“こだま”はまさに、頽廃した小ブルジョア民族主義のそれであって、どの国がはじめたのかは知らないが、一つの国が発した排外主義的な民族主義の叫びが、よその国に伝搬し、よその国の絶叫を引き起こし、それが他の国の大絶叫を引き起こすという状態になっている。

 要するに、東アジア全体が、動物園のサル山状態になっており、キーキーキーとうるさくて仕方がない。特に、国会と呼ばれる日本の議会の醜態は、一つの滑稽な見せ物であり、全世界に音声付きの動画を配信するだけの価値はありそうだ。

 どうしてこうなったのか?

 誰かがサル山にエサを投げ込んだのだろうか?

 そうではなくて逆だ。サル山全体のエサが少なくなっているので、エサの取り合いが一部で始まりかけているので、サルたちが騒いでいるのである。

 長い間、世界資本主義の“成長エンジン”であった東アジア全体の地盤沈下が現実の過程として始まろうとしているのである。世界に突出した生産力はいまでは世界に突出した過剰生産力に転化しようとしており、日々少なくなる分け前の取り分をめぐって東アジアの諸国間で熾烈な闘争が始まろうとしているのである。

 しかし、民族主義的な金切り声をあげて、それは解決するのだろうか?もちろん、わめけばわめくだけ体力を消耗するのは目に見えているのだが、小ブルジョアが知っている政治は民族主義だけである以上、キーキーキー泣きわめいて破滅の日を待つことしかできない。

 うっとうしい時代の幕開けである。