労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

被害者が生存しているという根拠

2006-11-25 19:42:52 | 政治
 ある人が北朝鮮にいた拉致被害者は全員死んでいる。
 
 生きているというのであればその根拠を示してほしいといわれました。
 
 本来ならこういう質問は無視したいと思っていましたが、何度も言われるのでやはり答えなければならない質問であると思いました。
 
 この質問に対するわれわれの解答は簡単なもので、「拉致被害者の生死は分からない」というのが答えです。
 
 拉致被害者の死亡が全員確認されれば、それは生存確率ゼロということで全員死んでいるという根拠になります。
 
 しかしそうでなければ、生存確率はゼロではありませんので、そういうこと自体が被害者が生存しているという根拠になりませんか?
 
 つまり、数学的には、生存確率がゼロであるという証明が誰によってもなされていない以上、生存確率がゼロではない確率は無限大にあるというほかありません。
 
 拉致被害者は全員死んでしまったという人はその根拠として「北朝鮮政府がそのように言っているから」ということを根拠にしています。
 
 しかし北朝鮮政府はそのように言いながら、信頼に足りうる証拠を提出していないために、拉致被害者は全員死んでしまったという証明にはなってはいないのです。
 
 このようにいうと「ある人」は言います。「そんなに朝鮮人が信用できないのか」と。
 
 これはどういうことでしょうか?日本は、安倍晋三というバカなファシストが首相をしていて、毎日、ウソばっかりこいています。このことから他の国の労働者が、日本人はウソつき信用できないという結論を出すのであれば、日本の労働者は言わなければなりません。
 
 階級的な政府とその政府に支配されている労働者階級を区別しないのは、排外主義的な民族主義であり、労働者階級はそのような狭い民族主義を受け入れることはできない、と。
 
 日本の労働者階級は支配され抑圧されている階級として他の国の労働者階級と共通の利害関係を持っており、われわれはアメリカの労働者も、ロシアの労働者階級も、中国の労働者階級も、北朝鮮の労働者階級も、全世界の労働者階級も、ともに闘う仲間であり、同志であると考えています。
 
 ですから、われわれが北朝鮮政府の言うことは信用できないというのは、彼らが朝鮮人であるからではなく、彼らが北朝鮮の労働者階級を搾取し、抑圧し、闘う労働者を弾圧しているからにほかなりません。そのへんのところを誤解なきように。