サルの方丈記

キャンドゥーサルの日記風ブログ

「江戸」「大正・昭和初期」

2007-12-29 08:53:39 | Weblog
一昨日大学時代の友と飲む〈もちろん熟撰〉
中国駐在時に驚いたことはの話となった

サルの驚き

時は1980年代なかば
場所は中国広州市
昼間の化工公司の商談中だったと思う
農薬の担当者が急に外に行こうと言う
何かと思えば
精神汚染という名の中国流の取り締まりだった

経済的贈収賄の人間が
見せしめのために公開銃殺死刑となる

罪人は白装束に身をまとい
トラックの荷台に乗せられ
背中に罪名を記した木札が掲げられ
後ろにつづくトラックには
数十人は乗っている公安部隊が
銃口を空に向け整列し
ゆっくりと市中のメイン道路を行進する

群集は老若男女
人だかり
自分の隣のおばさんは
孫を抱え
悪いことをするとあのようになるんだよと
罪人を指し示す

罪人は7名ほどだった
トラック3台に振り分けられ、連なり
つぎつぎと目の前を通り過ぎる

公司の担当者に聴く
「どこへ彼らは行くんですか?」
中山公園近くの公開処刑場と

約10分ほどの出来事だったが
時代が江戸時代に逆戻り
大岡越前、遠山の金さんではないが
極悪人に対する罪名が
「市中引き回しの上、打ち首、獄門」の世界である


友(エビちゃん)の驚き

上記の光景は彼も
天安門事件のあとに
北京で体験していると

それよりも、河南省洛陽市の出来事という
当時の日本人駐在員の出張は列車が多かった
夜行列車で現地に早朝到着というケースも多々あった
北京から夜行で洛陽に着く

駅前広場から一本のメイン道路
そのメイン道路の両側には
おびただしい桶がずらり気が遠くなるほど並ぶ
桶から湯気が立ち上り
一面湯気だらけとなっている

旅人はお金をはらい
顔を洗う
自前のタオルを湯の中につけ
顔をふく
日本ではありえないこの路上での光景を
エビちゃんは
これは日本の大正・昭和初期じゃん

現在の中国の華やかな経済発展からは想像もつかないが、現代の中国の都市の若者はこの状況は理解されていないとエビちゃんは伝える

現代の日本に生きて、「江戸」「大正・昭和初期」を見た稀有の人間なのかも知れないと納まった

さる