サルの方丈記

キャンドゥーサルの日記風ブログ

生死

2019-08-09 13:53:10 | Weblog
前項の北岳の落雷の話しに戻る

8月7日 午後14:05 頃
北岳頂上付近は雲行きがあやしくなり
ガスがかかり、雲の中となる
雨がぽつりぽつりと降ってきたので
さっさと下山することを決め動き出す

下山開始から3〜4分で大粒の雹が猛烈な勢いで降り出す
丁度その時近くには大学の山岳部らしいパーティ4〜5名と中高年の女性パーティ4名がいた
皆一斉にザックからカッパを取り出し上下カッパを装着し始めるが
雹が身体にあたり痛いいたいと声をあげていた

きっちり装着する時間よりもこの頂上を離れることを優先し
私はカッパの上着だけをはおり素早い下山を試みた
ザックを開けた僅かな時間にもかかわらず
大量の雹(氷の塊)がザックの中に入り込む

そうこうしているうちに
雹から風雨に変わり近くに第一弾の落雷が起こった

とにかく高い所から低い所へ移動しなければやられる
頂上、尾根から脱出せねばやられると思い
できうる限り屈みながら頭を低くし早歩きで
200m下の北岳・肩の小屋を目指した

猛烈な風雨のなか
山頂で出会った青年(高校生らしい)が10m先の
岩場と岩場の間に身体を入れ込み待機していた

第二弾の落雷、轟音が鳴り響く
まだ頂上から恐らく50〜60mしか下れていない岩場の尾根

高から低への鉄則を信じ
青年に合図で下山を促す

青年も同調し
青年が数メートル前、私が後となり二人で必死に
低い体制を保持しつつ難所の岩場を下りにくだった

青年は不安でときどき後ろを振り向き私の顔を見る
私は手で頭を低くひくく、前へまえへと合図を出し
青年もうなずきながら必死にくだり肩の小屋へ辿りつく

夕刻、肩の小屋の主人からさっきの雷雨で1名意識不明の重体と隣の山小屋から連絡があったと聞く
我々が下りる反対側の北岳山荘付近で雷が落ちたという(周りにテントを張っていた人もしびれの被害)

山梨県警察のツイッターには上記のことが簡単に報告されていた、


【迫る危機の中】
頂上近くの岩場で暴風雨が過ぎるまで待機するのがいいのか?
もしくは
高い所から低い所へ危険な場所から離れることがいいのか?
自分は後者を選択したが
両方正しいと思っている

さる

北岳 2019年8月7日

2019-08-09 09:50:03 | Weblog
初の南アルプス選んだのは白根三山で最高峰の北岳
以前より登ってみたいと密かに思っていた山である

8月7日 早朝 広河原から大樺沢を歩き一気に山頂を目指す
午後 14:00頃 山頂着となるが直後に雹と猛烈な雷雨(2度の落雷)に遭う

北岳肩の小屋投宿 嵐は去り見事な夕焼け、深夜空を見あげれば
満天の星、星、星と天の川

夜明けの富岳、中央アルプスの女王仙丈ヶ岳、近くの甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山
遠くは北アルプスの穂高、槍までもくっきりと描き出す



いざ北岳を目指す


間ノ岳が見えてくる


北岳山頂


鳳凰三山(肩の小屋)


甲斐駒ヶ岳(肩の小屋)


肩の小屋から富岳


夕焼けの仙丈ヶ岳


夜明け前の鳳凰三山


夜明け前の富岳


女王 仙丈ヶ岳


甲斐駒ヶ岳と後ろは八ヶ岳連峰


さらば北岳と肩