ガーベラ・ダイアリー

日々の発見&読書記録を気ままにつづっていきます!
本の内容は基本的にネタバレです。気をつけてお読みください。

読み聞かせに行った

2006-02-17 | 日々のあれこれ
先日、日本語を学んでいる現地の公立小学校に読み聞かせに行った。もう1年半ぐらいのつきあいになる。

自分で本を選んでいるのだが、今日はここで言うのも恥ずかしいが本選びを失敗したf(^_^; (ああ子どもたちよ、本当にごめんなさい。。。)

4年生になりだいぶ落ち着いてきたし、日本語の力もかなりついてきたと思った(担任の先生の努力のたまもの!)。なのでちょっと難しいものに挑戦!と思い「花さき山」(斉藤隆介著/岩崎書店)を選んだ。滝平二郎氏のさし絵(独自のきり絵)もとても美しい。

しかし、これには難点があった。

まず、山ンばの語りの内容を理解すること。これが難しかったようだ。「けなげなこと、やさしいことをすると、うつくしい花がさく」というたとえが理解できなかったようだ。

もうひとつは、主人公の少女が見た「花さき山」はなんだったのかということへの疑問。うそなのか本当なのか。本文では、少女が後日、山に行ってももう「山ンバも花も花さき山もなかった」とある。ここらへんもかなり難しかったようだ。(日本語が十分にわかる子でも内容を理解できるのは、3~4年生ぐらいかな。。。)

なかには理解してくれて、こちらの問いかけに一生懸命に答えてくれる子も何名かいた。他の子は、静かにしてはいたが多分よくわからなかったのではないか。わかっている子たちの答えをもう少しかみくだいて話を具体的にすればよかった・・・と後から気づいたがもう遅い・・・。

斉藤隆介&滝平二郎コンビの絵本だったら、「モチモチの木」や「八郎」などのほうがよっぽどわかりやすかったかもしれない。日本語を母国語としない子どもたちにとっては難解な絵本になってしまった…。ああ、反省。

ある男の子が「このお話は、とてもいいと思うけれど、ぼくは日本語がまだ苦手なので、ちょっとこんがらがってしまった」と率直に感想をいってくれる子もいた。

ある男の子は「絵をみたいから本を見せて」と言う。本を渡すと「お母さんが赤ん坊におっぱいをあげている絵」に反応して、周りの子とくすくす笑っている。

ある男の子は、読み聞かせが終わったとたん席をはなれた。おそらく集中して話を聞き、もう限界だったのだろう。この子は事情があり、祖母と二人で暮らしているという。席に戻ってきた時に、彼にこっそり聞いてみた。

「○○君、なにをするのがすきなの?」
「I don't know」

背中に手を回してもう一度尋ねる。
「ねえ、おしえてよ」
またもや、
「I don't know」

背中をとんとんたたいて、しつこく聞く。
「どんなことがすきなの?」
「Baseball」
とぶっきらぼうにひとこと言って、去ってしまった。

そうか、次回の読み聞かせの本は決まった。
こちらで活躍している「I選手のお話にしようっと!」