サイパン生まれの湘南犬

南の楽園・サイパンで生まれ、9歳で飛行機に乗り日本へやってきたシェパードミックス犬の日々。

北マリアナの現実

2011-03-27 21:16:15 | サイパン暮らし

先日、新聞に載っていたコラムにこんなものがありました。

とても長いので、時間があって興味がある方は読んでみてください。
独断と偏見で訳しました。結構適当ですのであしからず。

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2011年3月15日、6時のニュースで2011年4月1日からCNMIとアメリカ合衆国は別々の道を行く事となったとの発表があった。CNMIは独立国家となる。アメリカ合衆国はその代わりに、グアムやパラオとの絆をよりいっそう深めるとの事。なぜならCNMIはアメリカとの関係に嫌気がさしたからだ。CNMIにおける連邦化は今後一切なし。政治的連帯関係も、援助も一切が4月1日より打ち切られる。
ニュースはさらに、我々CNMI国民がアメリカ合衆国の一部となることをもう、望んでいないと説明。アメリカはCNMI国民をバカにしているという理由からだという。このためアメリカ議会はCNMIの望み通り、CNMI国民が好きな様に国を治めて行く事を承認したと伝えた。

我々多くのCNMI国民にとっては、とても馬鹿げた事の様に思える。そんなことはありえない!
だからその夜はそんな事は頭の中から追い出し、好きな番組にチャンネルを変えた。
ところが、なんてこった。4月1日、目覚めて事の重大さに気づく事になるのである。

子供達を学校に連れて行く途中、フードスタンプ配給のオフィスの前を通った。最初にCNMIが独立国家となった影響を肌で感じたのは、フードスタンプの配給を受けている人達だった。
一ヶ月分のフードスタンプをもらう為に並んでいた人達に担当者がこうつげた。
「申し訳ないが、今日からフードスタンプの為の予算が一切なくなった。アメリカにはもう我々を食べさせて行く義務はない。だからどうか、みんな帰ってください。もうどうしたらいいかわからない。」
そんな訳で1万2千人以上のフードスタンプ受給者は、空手で帰宅する事になり、日々の食料を手に入れる事も出来なくなった。

同じ朝、公立学校は、もうアメリカが負担をしてくれていた朝食と昼食はなくなったので、学生は自分の食べ物を持参するか、空腹を我慢するように告げた。
それに加えてアメリカの援助によっていた特別教育プログラムは中止となり、給料が払えないので先生達も解雇された。アメリカの援助が打ち切られた為に、公立学校の多くのプログラムが中止を余儀なくされた。今後、公立学校運営に関する資金は、地元の政府が負担しなくてはならない。

一方、サイパン総合病院の患者達はメディケイドとメディケア(地元の人達が加入する保険)は、もう医療費を払ってはくれないので、自分で現金で払うようにと言われる。払えない人は治療を受けられないとも。
DEQ(緊急災害対策オフィス)の前を車で通ると、従業員が荷造りをして、引き上げる準備をしていた。Fish & Wild Life(野生動物保護オフィス)でも同じことが起きていた。
CRM(沿岸資源保護オフィス)に勤める友人から電話があり、何か就職先がないだろうかと聞いて来た。CRMオフィスは閉鎖されたという。

障害者のための施設でも、施設に通う障害者達に、もう世話をしたり介助をしたり出来ないし、施設を閉鎖すると告げていた。アメリカからの援助がないのだ。
住宅に関するオフィス、職業訓練施設など、他にも沢山の公共オフィスが、援助が途切れた為に閉鎖された。もちろん北マリアナ大学でも、授業が大幅に縮小された。

郵便局に行って、郵便物を受け取って来ようと思ったが、行ってみると閉まっていた。今日から全ての郵便物は国際郵便と見なされ、到着するのに何週間もかかる事になる。アメリカ本土への郵便物は国際郵便の料金が適用されるのだ。

アメリカ本土にいる友人に電話しようと思ったら、CNMIはもう、アメリカの国番号1を使う事が出来ず、アメリカ本土に電話をするには高い国際電話の料金が適用されると言われた。

アメリカ連邦裁判所が入っているビルの前を通ると、家具などが運び出されている所だった。
警備員に一体どうしたのかと聞くと、連邦裁判所は閉鎖されたという。
連邦のオフィスも全て封鎖され、アメリカがCNMIでの全ての権限を失った事を改めて認識せざるを得なかった。

自分のオフィスに行くと、港湾オフィスから電話があり、連邦政府は今後一切港や空港での権限を持たないと告げられた。
USコーストガードはグアムへ帰ってしまった。
アメリカの援助による公共工事は全てストップされ、援助されたお金はすべてアメリカへ返金されてしまった。道路の補修も、新たな工事も今後は全て、自国の政府がまかなわなければならないのだ。EPAしかり、CUCしかり。

でも、もっとショックだったのは、もう経済刺激策の一環として配られた一時金ももらえない、と言う事に思い当たった時だ。何千万もの期待していたお金は虚空に消えた。
CNMIは今、完全に自立し、全ての費用を自分たちでまかなわなければならないのだ。

一体これからいくら必要なのか見当もつかない。誰かが言うには年間1億ドルものお金が必要だという!
この国が一体どこからそんな多額のお金を調達出来るというのか?
アメリカからの資金面ならびに技術面の援助なしに、一体どうすればいいというのだろうか?

困り果ててオフィスで頭をかかえていると、突然友達から電話があった。
肺が張り裂けそうな調子で叫んでいる。
ものすごく腹を立てていて、不信感で一杯の様子だ。
グアムへ行こうとしていたのに、パスポートが無効だと言われたというのだ。
そう、CNMIのローカルの人達が持っているアメリカのパスポートは全て無効にされてしまったのだ。
友人はグアムへ行きたいならビザを申請しなければならないし、アメリカ本土へは今までの様に自由に移り住む事は出来ず、住みたいのなら移民として申請しなくてはならないと言われたという。
おお、神よ。一体どうしたらいいのですか?これからどうなるんだろう。

突然目覚まし時計がなって目が覚めた。4月1日、エイプリルフールだ!
夢を見ていたのだ。
でも、この夢について真剣に考えてしまった。
もう何年も受け続けているアメリカからの恩恵を、我々は忘れてやしないだろうか。
自分たちの特権や権利を主張して当たり前の様に受けて来たけれど、もしこの夢が現実になってしまったとしたら、どうなるんだろうか?

(後略)

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原文はこちら

このコラムを書いている方、存じ上げてるんですが、
いつも、とても分かりやすい英語で、
大抵、普段私達が思ってる事をズバリと書いてくれる事が多いのです。

読んでお分かりの通り、アメリカの領土としての恵みを存分に受けつつ、
言う事を聞かないわがまま坊主…これが現在の北マリアナです。

あんまりわがまま言ってると、ホント、見捨てられちゃうよ…。