本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

奇抜な歴史推理が読みたいの。

2006年08月02日 | 

まともな歴史書が読みたい訳じゃなくて。
娯楽性の高い推理小説の世界で、
今に残された情報を元に
論理の飛躍を魅せてくれるミステリが好きなんです。
決してその推理が事実とは思いません。
常識にしばられない発想自体にわくわくするのです。
(根拠として読者に提示する情報を選択するのは作者だから、
ほんとにとんでもない仮説が飛び出すこともありますが…)

はるか昔に『成吉思汗の秘密』(高木彬光)を読んだ時には、
強引すぎる話に、うふっ、てな気分でした。
しかし、どんなにへんてこな結論を出しても許されるという
無責任極まりないこのジャンル(笑)、
意外にも気に入ってしまったのです。

特に近年は作品が充実しているので、
歴史好きの夫と共に読んでいます。
(↑自分が詳しい分野が扱われていると、点が辛い

『QED』シリーズ(高田崇史)なども、面白いのでよく読みます。
(初期の作品が優れているというのは、夫婦の意見。
『百人一首の呪』とか『式の密室』とか。
歴史推理とからめて展開する現代での犯罪が
ぱっとしない感じなのが惜しいです…)

最近読み返しているのは、鯨統一郎の作品。

『邪馬台国はどこですか?』(創元推理文庫)
歴史学者静香とライターの宮田が、
「スリーバレー」というバーで顔を合わせるたび、
歴史の謎に対する推理合戦を繰り広げます。
実に大胆で、それがまた愉快な名作。
学生時代、彼(夫)に貸したら、面白すぎて取り上げられました。

『新・世界の七不思議』(創元推理文庫)
進化した「スリーバレー」、カクテルもおつまみも美味しそうです。
静香に容赦なく罵られても、さりげなく挑発し続ける宮田。
あれはあれで、仲が良いのかも?
うちの夫は推理部分に文句ありげですが、
こじつけ感が結構笑えます。

『すべての美人は名探偵である』(光文社カッパノベルス)
あの二人はいつの間に電話番号を交換してたんですか!
(↑本筋には関係ないところで、びっくり
それはともかく、相変わらず気が強くて自由闊達な静香と、
おぜうさま桜川東子(『九つの殺人メルヘン』登場)の共演が嬉しい。
殺人とミスコンと徳川家の謎の話。遊び心は大切ですねっ。

『タイムスリップ森鴎外』『タイムスリップ明治維新』
『タイムスリップ釈迦如来』(講談社ノベルス)
渋谷の女子高生うらら、大活躍の3冊。
純粋な歴史推理というよりも、
『邪馬台国…』の仮説を踏まえたフィクションです。
どれも荒唐無稽でユーモアがあります。
一番好きな『…森鴎外』では、何者かに命を狙われた鴎外が、
現代にタイムスリップして、その犯人を推理するのですが、
この時代になじんでしまうモリリン(注:鴎外のこと)が可笑しいです。

これからも新作が楽しみ。
ところで、わたしたち夫婦が日本史関係の歴史推理モノばかり、
選んで読んでいることにお気づきでしょうか。
(妻は時々修道士カドフェル・シリーズを読みますが、
あれは中世イギリスを舞台にした時代ミステリ、だものね)

そう、世界史関係はなんとなく避けているのです。
もともとの史実や歴史的な状況など、
背景が分からないと面白さも半減するので。
(無学なもんで…。読んだら、そのまま信じてしまいます
だから『時の娘』(ジョセフィン・テイ)も未読。
(歴史ミステリの本家本元だよね?うわー!はずかしっ)
イギリス史の本をまず読んでから、挑戦しようかな?

追記…はっ!ディクスン・カーも読んでないわ!




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