恋をしていた。
5年数か月、ひとりのひとをすきだった
病院の先生にはすこしだけお話しした
人生には終わりがなくて、いつもどこまでいっても途中だけど
そのときどきで、文章にはピリオドがあるように
人生にもまるをつけていかなきゃいけないときがあると
そう言われた。
私はきっと、ピリオドをうつのが苦手で、
いとうくんに言われたけどどうやら文章も一文が長いらしい
だからかなんでか、人生に区切りをつけるのも
人間関係に、恋人関係に、友人関係、
そんなものに区切りをつけるのもすごくにがてだ
昨日、その好きだったひとに会ってきた
いとうくんも一緒に行ってくれた
彼には、さようならの手紙をわたした
彼は、ほっとする、と言ってくれた
私がもう彼の人生に介入しないことを、
10分、もしかしたら数分しか話さなかった
彼は私の目を見てくれていたような気がする
ときどき顔を上げると、
やさしい顔が見えた。
我慢していたけど、別れてから泣いた
味のしないさらさらな涙が流れた
ぐるっと回ってつながるピリオド
堂々巡りだった私の恋に、
きれいなまるをつけた。