要約できない人生のあれこれ

気ままに日々のこと
いきづらさを抱えて。なんでもない日常のこと。ごみ捨て場。届かない。

しょうたは詩を書いてた。海まで歩いた日もあったね。

2015-11-11 19:36:23 | 日記






一緒にホームステイに行くひとのなかに、しょうたはいた。

ホームステイに行くまでの間、私たちは外国人の先生と市役所の係のひとと

週に一度くらい集まって、英会話の練習をしたり、お話を聞いたりしてた

英会話の練習で自己紹介をしたとき、しょうたは好きなことは詩を書くことだって言ってた

なんかみんなにばかにされてたけど、そういうからかわれるような、

みんなに愛されるようなキャラクターで、

中学校は違うけれど、共通の友達がいて。その子から、しょうたのことはいろいろと知っていて。

私だけ、一方的に知っていて。だから話すようなこともなかったんだけど。

詩を書くのが好き、って聞いて、私は

へんなひとなんだなあ、って思った。あと、看護師になりたいと言っていて、

へえ、やさしいひとなんだろうか、って思ってた。

そんな感じでしょうたとは出会ったものの話すことのないままアメリカへ



それでチェルシーがしょうたのことをかわいいかわいいって言ってて

話したいって言うもんだから近づいて、

そして話すようになって。



いつの間にかとてもたいせつなひとになっていて、

ホームステイが終わったあとにシカゴに観光に行ったのだけど、三泊くらいで。

そのときに5人くらいでとても仲良くなって、みんな別の学校だったから

別れが本当にかなしかった。

私は泣くタイミングがなんだかいつもずれてる人間で、

卒業式とかも、前日に泣いちゃって当日はけろっとしていたり、で。

そのときも前日の夜に無性にかなしくなって、

みんなはホテルであいかわらずはしゃいでた、楽しそうにしてたけど、

なんだかつらくてしんどくて、


そしたら、しょうたが気づいてくれて。

わかな、どうしたの?って。

よく見ているひとだ、心配している顔だ、と思って。

うまく言葉が出てこなくてぼろぼろぼろぼろ涙が出てきて、

その間、何を話すでもなく、隣に座っていてくれて。

あったかいひとで。




日本に帰ってからもメールでお話したり、

仲良くなった何人かで集まるようになって

しょうたはよく、私を送ってくれるようになって

お互い手紙を書くのが好きだったから、文通をすることになって

そしていつか、好きです、と言われて。

いっしょに歩くようになった。

しょうたと歩くのは楽しかったな。

しょうたはばかだけど、まっすぐで、おもいやりがあって、

うん、どんなときでもやさしくて、

私が泣いていても、いつもやさしくて。

怒ったことも、けんかしたことも、なくて。

とても居心地のいいひとだった。


私は海が好きだったから、海の近くの駅まで行って

海まで歩いたこともあった。

近くと言ってもかなり距離があって、

その時間は永遠かと思うほど、だった。




歩いてたとき、私たちが何を話してたかなんて、憶えてないけど

でも、ただ、楽しかったな。って、憶えてる。




しょうたのことばはいつもまっすぐで純粋で、

きれいだった。単純で、でも、やさしかった。

しょうたのことを私は、水平線とか地平線みたいな存在だな、って思ってた。




夜、星を一緒に見た。近くの小学校で、とめどない話をずっとしてた。

いっしょに歩いていて楽しかったこと、思い出した。

うん、思い出せてよかった。




一生たいせつなひとだな、と思う。