1年半、寝るときもお風呂のときも、どんな服のときにも
つけていたブレスレットをなくした。
今日ふと病院の待ち時間に左手首をさわったら
いつもの感触がなかった。
通った道も探したけど、なかった。
あれは、いとうくんが私をたいせつにしてくれて
いつでも見守ってるよ、と感じさせてくれる
そんな、お守りみたいなものだった。
女のひとらしくない、しっかりとしたチェーン
シルバーのどこにでもあるようなブレスレット。
シンプルだけど、私はだいすきだった。
こういうときに私が思い出すのは、
高校生のときに付き合っていたひとに言われたことば
なくしたくないから宝物入れにいれてつけない、
と言った私。
とにかく私はなくしてしまうのがこわかった
そんな私を見て彼は、
なくしたらまた同じのを買おう
って、言った。
それが当時はうれしかったこと。
いまでは、たぶんちがう。
なんども言ってるけど、私はほしいものは少ない
なくしたくないたいせつなものだけで、精一杯だから