過去たくさんのアーティスト方々と演奏させてもらいました。
その中でも特別に印象的だった服田洋一郎さん。
昨夜訃報が入り、お亡くなりたったのを知りました。
服田さんと会った最初の印象はミュージシャンというよりは、
ストイックなボクサーという感じ。
スポーツウェア着てたせいか、
話で聞くブルースマン的なイメージとはまるで違ってた。
オリオンビールのイベントだったんだけど、
確か僕は吾妻光良さんのバッグで演奏するという話だったんだ。当初は。
ところがリハーサルが終わった後、服田さんが僕に近づいて来て
「ローリーさん初めまして服田です。本番ぜひ一緒にやりませんか?」
みたいな感じだったのかな・・突然ね、言ってきた。
面白い人だなぁ~と思ってね。引き受けたんだ。
今思えば何故たくさんいたミュージシャンの中から僕を誘ったのか、分からない。
僕が面白そうに見えたのか、はたまた暇そうに見えたのか・・・
今となっては分からない。
やっぱ忘れられないのが終演後の吾妻さんとの会話。
服田「おい 吾妻!お前はまだ指なんかでギター弾いてんのか!」
吾妻「はぁ」
服田「今時代はフュージョンなんだぞー!」
吾妻「はぁ・・」
服田「ほれ このピックやるから使え!いいか、時代はフュージョンだぞ!わははは!」
なんかそんな感じだったかな?(笑)
ステージでぶっ飛んでいたストイックそうな人が初めて見せた笑顔でした。
打ち上げも不思議でね。
一軒目は全員参加の打ち上げだったんだけど、
その店出た後に服田さんが「ローリーこの後空いてる?」って言われて、
なぜか那覇タワーに連れてかれたのね。
なんでも学生時代の先輩がこの那覇タワーのラウンジで働いてるとかで。
そのラウンジでピアノを弾く先輩は、
これまた服田さんに輪をかけたようにキリッとしててね。
先輩「おっ 来たか服田!元気でやってるのか?」
服田「はい!お久し振りです」
先輩「お前あれだ、まだビートルズやってんのか?」
服田「はい!続けてます!」
みたいなわけ分かんない会話で始まってね(笑)
何時間前の吾妻さんとの「今時代はフュージョンだぞー」なんて会話からは
想像もつかない少年服田洋一郎が垣間見れてね、
なんだかとても微笑ましかったのを覚えてます。
服田さんとは音楽の話した記憶はない。
塩次さんとはビリー・バトラーかなんかの話をしたの記憶してるけど、
服田さんとはただそばで淡々と呑んでたのかな?
それもずっと一緒にね(笑)
ステージでも掛けて来た言葉は「ローリーさん、キーAです」ぐらい。
不思議な人でした。
服田さん、なぜ久し振りの先輩との再会に見知らぬ僕を連れて行ったのかな?
久し振りの再会、単に間が持てなかったのかもしれませんね。
でも久し振りに見たバンドマンの年功序列の世界。
楽しかったですよ!
また一緒に演奏させて下さいね。いずれ!
セッションはきっとそちらの方が凄まじそうでしょうから(笑)
とあるオキナワの夜。
たった一度の出会い、たった一度の演奏、
あのワンコード1発のキレキレの服ちゃんソウル!
あのとっちらかった自由こそ僕らのブルース!
まさに服田さんとのONE NIGHT STANDでした。
お元気で!