金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

エスカレータの片側ルース

2005年07月18日 | 健康・病気

先週大阪と京都に仕事と私用で帰っていた。大阪のエスカレータで思ったことは、東京と追い越し車線が逆だということである。つまり東京では急ぐ人のためにエスカレータの右側を空け急がない人は左に立つ。ところが大阪ではその逆。急ぐ人は左側を駆け足で登っていく。ところで京都駅のエスカレータを見ていると右側を急ぎ用に使っている。つまり東京スタイル。ただしこの一例を持って京都は東京スタイルと言って良いかどうかわからない。つまり偶々東京から来た人が東京スタイルでエスカレータを利用していただけかもしれない。

エスカレータの左立ちと右立ちの境界線が日本列島の何処にあるのか知りたいものである。

というような話を家内にしたところ、家内は「エスカレータの片側ルール自体が身体障害者の方に大変は負担になっている」という。つまり体の事情では左右どちらか片側にしか立ち辛いのである。高々エレベータ位駆け上がっても大した時間にもならないので「片側空けルールそのものを辞めて欲しい」という声も相当あるそうだ。

ところで身体障害者のことを一般的には"handicapped"というが、最新の英語の表現は”physically challenged"というらしい。これはある本で読んだことだが、念のためにネット上の権威ある英々辞書"http://dictionary.reference.com/"に当ってみたが正しい様である。

脱線したが英語はどんどん変化していく言葉であり最新の用法を知るためには、良い英々辞典を使う他ない。http://dictionary.reference.com/は便利なサイトである。

いずれにせよphysically challenged という言葉は美しい言葉である。身体障害者という日本語も美しい言葉に置き換えられるべきである。

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ヘッジファンド苦戦続く

2005年07月14日 | 社会・経済

私のブログの中でアクセス数が多いのはヘッジファンドに関するものである。従ってヘッジファンド業界の動向についてはアップデートする使命?のようなものを感じている。足元のヘッジファンドは全体としては若干パフォーマンスが持ち直しているが、一方かなり大きくやられているところも顕在化してきたというところだろうか?ウオールストリート紙の最近のニュースの概要をご紹介する。

  • かっては世界最大級のヘッジファンドマネージャーであったベガ(Vega)アセット・マネジメントの資産減少が続いている。ベガの運用資産残高は2004年7月がピークで104億ドルあったが、今年4月、5月と運用損が出たことと投資家が償還を求めたことから6月に7百万ドルの資産減少となり現在の運用資産は67億ドルになっている。
  • ベガの責任者が投資家に送った手紙の中でベガは「運用損失は同社が最初にファンドを立ち上げてから8年半の間で先例のないもの」と言っている。
  • ベガの6月の運用損失は同月最初に発表された予想よりも弱い雇用データの結果、米国長期国債利回りが低下したことに起因する。今年に入ってベガは多くのほかのヘッジファンドと同様、連銀の連続的な金利引き上げの中で米国国債の利回りが上昇すると考えていた。従ってヘッジファンドは債券価格下落に対応したポジションを取っていたが、結果は反対に動いた。ベガは6月初めに2つのファンドの「ポートフォリオのシステム的な清算」を行い、リスクを減少させるとともに損失を実現した訳である。
  • 投資家は神経質になりトラブルの最初の兆候で償還を求めるようになっている。また第2四半期のヘッジファンドへの新規流入資金は前年同期に比べ35%減少している。実際世界最大の公開ヘッジファンド会社であるマン社は昨日第2四半期の運用資産はわずかに500万ドル増加し435億ドルになったと報じている。同社は今年後半については強気な見方をしているが、アナリスト達はヘッジファンドが保有するキャッシュを狙う銀行やブローカーとの競争激化からファンドセールスの減速を予想している。
  • 一方明るい話では平均的にはヘッジファンドは6月にリバウンドしている。例えばHHRIの複合指数は6月1.59%上昇した。

以上が記事のざっとした内容であるが、ヘッジファンド戦略の中で既に大きな損失を出している転換社債アービトラージ(今年5.6%のマイナス)に加えて、ベガのようなグローバルマクロも米国債券や為替の予想外の動きで苦戦している様だ。

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企業の貯蓄過剰で長期金利が低下

2005年07月11日 | 社会・経済

最近のエコノミスト誌によれば、先進国の企業の貯蓄過剰が長期金利低下の原因になっているという。以下記事のポイントを紹介する。

  • ブッシュ政権の経済顧問を務めるバーナンケ氏は、今年初めに発展途上国の貯蓄過剰が米国の経常赤字と債券金利低下の原因であると論じた。しかし最近のJ.P.モルガンのエコノミスト達の研究では、発展途上国の貯蓄過剰よりも、先進国の企業の貯蓄過剰の方がはるかに影響が大きいという結論が出ている。
  • 発展途上国の半分以上が対外債務の状態から貯蓄過剰に転じたのは、2000年のことであったが、この時点では米国の債券の利回りはほほ1996年当時と変化はない。米国の債券利回りが大きく低下したのは、もっと最近のことである。
  • 2000年以降主な先進国の企業は借入超過から貯蓄超過に転じた。過去4年間の企業のネット貯蓄の増加は1兆ドル以上になるが、これは世界の年間GDPの3%に相当し、発展途上国のネット貯蓄増加の5倍である。J.P.モルガンは1960年以降の米国債の平均利回りと現在の米国債の利回り格差の半分は、企業の貯蓄増加によるものと推定している。
  • 2002年以降米国企業は平均GDPの1.7%の資金余剰になっている。(過去20年間平均は1.2%の資金不足)
  • 日本企業は1994年以降資金余剰で、バブル期に膨れ上がった債務の弁済を行なっている。過去3年の日本企業の資金余剰は平均GDPの6.2%以上である。(80年代、90年代の平均はGDPの2.3%の資金不足)
  • 日本企業のコスト切り下げ~資本支出と新規採用の抑制~により、日本の経済成長率は持続的に足を引っ張られている。良いニュースというのは、企業債務の対GDP比率がバブル前の1980年代半ばのレベルに戻ったことである。
  • 今や米国と欧州の企業も日本企業の後を追い債務削減に努めている。米国で企業の貯蓄余剰が高い利益を上げている金融セクターに大きく依存することも着目しておくべき点だ。
  • グリーンスパン連銀議長は「短期金利が上昇している中で債券金利が低下しているのは難問だ」と言う。しかし企業の資金余剰の観点からはコンサルタント会社のワットリング氏は本当の難問は「債券金利が低いことではなく、企業利益が堅調で資金コストが安いにも係らず企業が投資ではなく貯蓄に向かっているか」ということだと言う。
  • もし1990年代のバブル期における過剰投資が現在の投資抑制の原因であれば、バランスシートが改善され余剰生産能力が活用された後は投資が回復し、債券利回りは上昇するはずだ。前述のワットリング氏は企業が借入・投資を再開する兆しがあると指摘する。米国では1990年代後半以降初めて企業与信の伸びが消費者向貸出の伸びを上回っている。
  • J.P.モルガンも企業行動は比較的早期に正常なものに戻り、その結果10年米国国債利回りは2005年年末までに4%から5%に上昇すると予測している。
  • 一方HSBCのエコノミストチームは、企業の投資は引き続き弱いと予想している。日本企業の10年にわたる借金返済努力は真剣な教材となっている。昨年の米国における投資拡大は減価償却範囲拡大に刺激されたもので将来の投資の先食いであろう。もし企業経営者が現在の消費ブームは脆弱な基礎~特に住宅価格の上昇~で支えられていると認識すれば、投資に気乗りがしないだろう。

以上がエコノミスト誌のポイントである。要は現在の低い長期金利は「企業の資金余剰」が原因であるが、将来の企業の投資水準については強弱双方の意見があるというものだ。

なお私見を付け加えると「企業にとって高い投資リターンが得られる投資分野が中々見つからない」ということが設備投資が伸びない大きな原因であると思う。この傾向は特に日本ではしばらく続くと思うので企業の設備投資は低迷し、その結果エコノミスト誌の意見が正しければ長期金利は低いまま推移するということになる。

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エコノミスト誌、郵政改革法案参院通過を予見

2005年07月07日 | 国際・政治

エコノミスト誌は7月5日の記事で郵政改革法案の衆院通過と今後の見通し・論点等をまとめている。同法案が参院を通過するだろうという観測はエコノミスト誌による小泉改革への援護射撃とも取れなくはないが、一部の日本の新聞が参院における自民党の数の少なさから法案の廃案を予測する論調にあるよりは冷静な見方かもしれない。あるいは説明不足の小泉首相になりかわってエコノミスト誌が郵政事業民営化の意義と問題点を解説して国内外各界のコンセンサスを得ようとしているのだろうか?

いずれにせよ「法案が通過するかどうか」ということばかりに関心が移ってしまった感があるが、郵政事業民営化の影響を冷静に考えることが必要だろう。エコノミストの記事はこの点からも正鵠を得ているのでポイントを紹介したい。

  • 小泉首相は参院で法案が否決された場合、衆院の解散・総選挙という脅しをかけている。参院での自民党議員割合は衆院より少ないが、参院のリーダーの統制力があるので法案は通過すると思われる。何故なら東京都議選で見られた民主党の躍進を考えると自民党内で誰もこの時期の総選挙を望んでいないからである。又小泉首相の人気度合いは5割を切ったとはいえ、自民党内では一番人気が高い。
  • 一方郵政事業民営化により郵政労働者と地方投票者の指示を失うことは自民党にとって悩ましいことである。従って小泉首相は民営化のタイムテーブルにおいて譲歩を行ない完全民営化を2017年まで延期しているのである。
  • 郵貯+簡保の残高は386兆円、これは世界のトップ銀行(東京三菱+UFJやUBS、シティバンク、みずほ)の個別預金残高の3倍近い預金残高である。郵貯が民営化されるということはこの巨大な資金が市場に出てくるということである。日本の郵政公社の役割に対するより大きな批判は、金融システムに大きなひずみがある日本において資金が誤って配分されていることをベースにしている。
  • 郵貯残高は265兆円でこれは総預金残高の約3割であるが、郵貯は税金や預金保険料を払っていない。これは郵貯が実質的な補助金を得ているのと同じである。銀行業界は郵貯の業務自由化・拡大の前にこれらの補助が取り払われるべきであると主張している。
  • また信用リスク判断経験の少ない郵貯が与信判断を誤り、不良債権問題を悪化されることへの懸念がある。また郵貯と銀行で監督官庁が異なることも問題だ。また郵便局の支店ネットワークは潜在的な競争相手である銀行より大きいので、銀行業界の中には業務撤退を強いられるようなところがあるかもしれないと銀行業界は恐れている。
  • 郵貯が民営化されると現在のように国債を買い~そしてその国債発行替り金で効果の疑わしい公共投資を行なう~といったことはできなくなるだろう。これは地方の自民党支持者の権益に反することだ(それ故自民党内に郵政改革に対する反対が強い)

以下はかなり個人的な異見であることを承知で「大きなサービス・技術の変革の流れの中」で郵政事業問題をちょっと論じてみた。

  • 郵貯問題と増税問題は別の話のようで「国の借金のファイナンス」という点で強いリンケージがある。郵貯で国債を買うということは借金を先送りすることだが、財政が改善しない限りいずれは破綻する懸念がある。増税は痛みであるが借りたものは返さないといけないのは国も個人も同じ話。そろそろ借金の退路を断って財政健全化に向かう必要があるだろう。
  • 紙ベースの郵便はもっと電子メールに置き換わらないのだろうか?私個人的には相当電子メール化している。残るところは年賀状とか転勤挨拶状位だ。これも電子メールの普及でいずれ変るのではないか?紙ベースの手紙・葉書がなくなるとは思わないが、10年、20年のタームで考えるとエネルギーコストの上昇等から郵便配達コストが上がる可能性は高いと考えている。もし郵便料金が上がれば電子メールへのシフトが進むかもしれない。

郵便貯金業務と銀行の業務の競合は?ということも職業柄大いなる関心事である。しかしながらこの問題については「自己に近すぎる問題」だけにバイアスがかかり、冷静な分析が曇る可能性がある。いずれゆっくり考えたいが「今の姿」をベースに論じるだけではなく、郵政事業が完全自由化される12年後のIT技術や金融市場の革新とか人口動態等を踏まえながらものを見て行きたいと思う。例えば電子マネーの普及等が金融機関における小口現金の出し入れという現在の窓口業務を変える可能性もあるか・・・などとも考えている。

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夏山登山道具考

2005年07月07日 | 

会社の後輩から「初秋に北アルプス登山をする。山登りは初めてなので登山道具についてアドヴァイスをして欲しい」という電話があった。そこで基本的な用具について簡単なリストを作り送ってあげたが、これを機会に「登山道具に関わる基本的な考え方」をちょっとまとめてみた。(対象とする山は無雪期の北アルプスの一般ルートとする)

  • 基本は「歩き」と「担ぎ」

山登りは「必要な装備・食料を担いで歩く」ことであるから「歩く」ことに始まり「歩く」ことに終わると言って良い。従って「足」と「大地」の接点になる「登山靴」が一番大切である。まず靴は「足を保護する適当な深さと硬さ」「防水性」「岩角等に対する耐摩耗性」「滑りやすい岩・残雪・ぬかるんだ坂道等に対するグリップ力」「体重+荷物という重量に耐えるある程度の底の硬さ」「履き心地」等が選定ポイントとなる。

まず靴底については私は昔から「ビブラム」社製のゴム底に拘っている。靴の素材は私は皮製を使っているが、ゴアテックスなど防水性のある布を一部使ったものも悪くはないと思う。靴底の硬さだが、私はある程度硬い方が鋭利な石を踏んだとき等衝撃が少ないので良いと思っている。従って私の登山靴は少し重た目であるかもしれないが、この少し重たいことが「ゆっくりとした足の運び」という登山の基本歩行につながると考えている。

いずれにしても靴が一番大切であり、それなりのお金をかけるべきである。

次に重要なものはザックだと思っている。特に10kg以上の荷物を担ぐ場合等ザックの良し悪しが疲労の大小に直結してくる。ザックの選び方は素人では難しいので一流メーカーの製品を専門店で選ぶことが良いだろう。私が実際に使って最も気に入っているのはオスプレー(Osprey)社のザックだ。同サイズの他社商品に比べてかなり高いが担ぎやすさは抜群である。

  • 衣料品は汗と雨対策~「インナー」と「アウター」が大切

私の学生時代に比べて登山道具は格段に進歩したが、特に繊維類の進歩が大きい。昔は冬山では高価なウールの下着を着たものだが、今ではポリエステル中空繊維の方がはるかに性能が良い。さて無雪期の下着だが、汗対策から速乾性素材の下着をお勧めする。積雪期登山であれば下着の良し悪しが命に関わることもあるので、少々高くても本格的な登山用を勧めるが、それ程寒くない時期であればユニクロ等で売っている速乾性素材のもので十分だろう。私も沢登の時などユニクロの速乾性シャツを愛用している。無雪期のアウターはしっかりした雨具で良い。上下分かれてしっかりした雨具を着るとかなり耐風製がある。雨具はゴアテックス製をお勧めする。最近ゴアテックスと同じ効果を持った他社の製品も出ているが私は使ったことがないのでコメントは差し控える。

いずれにせよ雨具の良し悪しは、遭難等万一の場合に生死を分けることもあるので納得がいくものを持つべきだろう。それに比べて登山シャツなどは必ずしも専門店で高いものを買う必要はないというのが私の意見だ。ただし夏でも濡れることを考えると綿製品ではなく、ポリエステル系などがお勧めである。

なお夏山といえども寒冷前線の通過なので急速な気温低下もあるので、フリースのジャケット等を一枚持っていく必要があるだろう。このフリースと雨具を重ねると相当な寒さでも凌げるものである。

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