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ユニクロ流SPA (成功は一日で捨て去れ(柳井正))

2010-02-21 16:11:54 | 本と雑誌

Uniqlo  現代を代表する経営者のひとりファーストリテイリングの柳井正会長兼社長の最近の著作です。

 多くの経営書で説かれている内容もあれば、柳井氏独特のポリシーも紹介されています。
 まずは、一般的なものから。
 経営の基本姿勢に関するコメントです。

 
(p35より引用) ぼくは常日頃から会社というのは、何も努力せず、何の施策も打たず、危機感を持たずに放っておいたらつぶれる、と考えている。常に危機感を持って会社経営することが正常なのである。「正常な危機感」とでも言おうか。・・・
 危機感と不安とは全く違う。・・・
 危機、つまりリスクを裏返すとプロフィット、要するに利益に通じる。会社経営では、危機は利益と同義語なのだ。

 
 ユニクロは、SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel:製造小売業)という業態で成功したと言われています。
 SPAの強みについて、著者はこう説明しています。

 
(p86より引用) そもそもSPAというのは、商品企画から販売までの流れをワンサイクル全部1社で回しているからそう呼ばれる。
 ・・・SPAでは、圧倒的な「売れ筋商品」を発見するまで何度でも何度でもそのサイクルを自社で回せる。つまり実験=試行錯誤できることこそが、SPAの本当の強みであろう。

 
 SPAのメリットは中間の流通を除いたことによる低価格の実現だけではありません。店頭現場のお客様の声を直接製造に反映できる、そういう商品改良のサイクルを回すことにより蓄積されるノウハウにあります。

 
(p128より引用) 我が社には、成功の方程式なるものはまったくないばかりか、現場主義を徹底的に磨きこむという地道な作業が尊ばれる。社員ひとりひとりがもっとよく深く考えて、すぐに実行していくという経験値の積み重ねのようなものが、現状のブレークスルーにつながっていく。・・・
 現在の多くの小売業は自分で商品を作っていないので、そういうことよりも自分たちのアイデアを押し付け「こんな風な商品を作ってきて!」とメーカーさんに指示するだけなので、長続きしないし、自分たちにノウハウは貯まらない。それでは成功は継続しない。

 
 SPAというビジネスモデルは決してユニクロが発案者ではありません。海外の先行アパレルメーカーにも見られた形でした。
 しかし、ユニクロは、現場主義の徹底によって「商品企画→生産→販売→商品改善→商品企画・・・」というサイクルを自己完結させることにこだわったのです。ユニクロの強さは「徹底した現場主義」にあります。

 
(p172より引用) 我々は「売れない」ことを前提にして、「売れるにはどうすればいいのか」を常に考え、試し、実践し続けてきた。その努力があって、やっと商品の良さが認知され売れるようになったのだと思う。

 
 「売るための方法」を、販売の現場と生産の現場との往還活動の中で考え抜いてきたこと、ここに、不況の中で「一人勝ち」といわれるユニクロの強さの源泉のひとつがあるようです。
 

成功は一日で捨て去れ 成功は一日で捨て去れ
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2009-10-15

 
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