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ナーデリの企業文化の変革 (ジャック・ウェルチ リーダーシップ4つの条件)

2006-02-07 23:43:28 | 本と雑誌

 ナーデリはウェルチの最終後継候補3名のうちの一人でした。
 後継者には選ばれませんでしたが、GEを離れホームデポ(アメリカ最大のホームセンタ)のCEOに迎えられました。

(p235より引用) 分権化がホームデポをダメにしていたわけである。第二次世界大戦後、組織上の原理として分権化を初めて採用したのは、「ゼネラルズ」(つまりゼネラルモーターズとゼネラル・エレクトリック)である。しかしこのモデルは、戦後の一時期には確かに利点もあったが、広範囲に広がったユニットや事業部を管理するために、官僚主義的な階層を増殖させるという面も持っていたのである。

 「分権化」は多くの企業で進められているガバナンス形態です。そのレベルは「カンパニー制」「事業部制」「権限委譲」等様々です。

 ナーデリが問題視したのは「分権化」そのものの否定ではないと思います。
 ナーデリがCEO就任した当時のホームデポが、「ノーコントロール状態の分権体制」であったことが病原だったのです。しかも、それが「創業以来の自由放任の企業文化」に根ざしていたことが改革の困難さを増幅させていました。

 ナーデリは、強権的にガバナンス面での「統制」を推し進めるとともに、企業文化の変革にも取り組みました。自由放任で生じていた「無駄・重複・過剰」を徹底的に排除しました。

 また、ひとつの企業体としての戦略の共有化とそれに取り組む基本的な行動指針も示しました。
 「3つのシンプルな戦略」「変化のスピード」です。

(p239より引用) ナーデリの戦略は決して複雑なものではなく、わずか三つの文で表現できた。
 我々の戦略は非常にシンプルだ。「コアの強化」「事業の拡張」「市場の拡大」である。各カテゴリーでどの企業がトップなのかを見極め、その企業に勝つ方法を見つけなければならない。

(p239より引用) 内部の変化のペースが外部の変化のペースより速くなければ、置いていかれてしまう。我々はビジネスモデルを変えなければならない。「ここ」までたどり着いた方法では、「向こう」までは行けない。

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