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ブランドのDNA (片平 秀貴・森 摂)

2006-08-29 00:03:09 | 本と雑誌

 この本では、世の中に流布している「ブランド」の常識に対し、その誤りを正すために、具体的な実ケース(企業)をいくつも挙げています。

 たとえば、強い「ブランド」といえば、何となく歴史や伝統を重んじていて、「不変」というイメージを抱きがちです。
 しかし、世界最大の食品会社ネスレは、絶え間なく変化し続けているのだと言います。

(p36より引用) ネスレのピーター・ブラベックCEOは「ブランドは変わり続ける。変らないのは消費者との距離だけだ」と断言した。

 強いブランドといえども、顧客に受け入れられ続けなければ見放されてしまいます。
 見放されないようにするためには、顧客に刺激を与え続けなくてはなりません。

 新たな刺激を生み出す「創造力」が必要です。
 創造力を発揮するためには、「のびのびとした自由な環境が必要だ」としばしば言われます。
 しかし、ディズニー映画部門総責任者リチャード・クックはこう言います。

(p100より引用) 「我々はボックスの中で仕事をしている。予算制約、時間制約そして規律の制約で区切られたボックスだ。制約があった方が創造力の質は高いものになる

 そのほか、この本で紹介されている「なるほどのフレーズ」です。

 そのひとつ、「サービスの正解」について。

(p134より引用) サービスは、顧客一人ひとり、またその時々で正解が異なる。だから、「何をすべきか」ではなく、「何のためにすべきか」をしっかりと理解せよというのが「リッツ・カールトン式」なのである。

 また、「ブランドの専従組織」について。

(p165より引用) そもそもブランドは顧客の頭の中にできるもので、企業がブランドを「管理」することに無理がある。専従組織がやることは、せいぜいロゴの色やサイズを統一したり、テレビCMの基準をつくったり、「ブランドブック」を作り社員に配布したりする程度である。それはブランドの形を整える作業に過ぎない。

 確固たる「ブランド」を築きそれを維持している企業は、一貫した理念を掲げるとともに、その理念を社員全員・会社全体に浸透させるための具体的努力を重ねています。

 さらに言えば、「顧客を喜ばせることを自らの喜びと感じる社員が『ブランド』を作る」ということです。

ブランドのDNA~ブランド戦略9つのウソとホント ブランドのDNA~ブランド戦略9つのウソとホント
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2005-10-20

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